視点

「IR=カジノ」は誤解 会議場、ホテル整備で集客・雇用に効果 (3/3ページ)

 IRには誘客力があるわけで、少子高齢化が進む日本にとって持続的成長に向けた国家戦略として欠かせない。IRが整備されると外国人は観光だけでなく、ビジネスや学会など多様な目的で日本を訪れるようになるからだ。人の交流が生まれ、街としての付加価値も高まる。

 世界を見渡せば、米ラスベガスやシンガポール、マカオなどがIRの整備により世界から観光客やビジネスマンを迎え入れている。カジノを核に成長してきたラスベガスは、非カジノのエンターテインメント性を加えたことでファミリーフレンドリーな街となり、誘客に成功した。世界最大の家電見本市CESの誘致にもつながった。選ばれる都市になるには魅力的な集客施設がそろうIRが不可欠といえる。

 IRはカジノありきではない。確かに全体の約70%の収益を生み出すが、あくまでもIRの一部であり、国際会議や展示会などビジネスイベント終了後に楽しむ場がカジノだ。それだけに、これから本格化する誘致レースもカジノではなく、IRの誘致であることを明確に国民に示すことで不安や誤解を払拭すべきだ。

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