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ノーベル賞受賞の吉野さん「賞金を地球環境問題の研究者に」

 ノーベル化学賞の受賞が決まった旭化成名誉フェローの吉野彰(あきら)さん(71)は16日、理事長を務める技術研究組合リチウムイオン電池材料評価研究センター(大阪府池田市)で産経新聞のインタビューに応じ、ノーベル賞の賞金の一部を地球環境問題の解決に取り組む研究者の資金に充てる考えを明らかにした。

 吉野さんは平成25年度にロシアの国際賞を受賞した際、賞金から1千万円を日本化学会に寄付し、「吉野彰研究助成事業」を創設。これまで環境やエネルギー分野の研究者4人に各200万円を助成してきた。

 ノーベル賞の賞金についても一部を充てる方針で、「人類は地球環境問題に絶対に答えを出さなければならない。問題解決策を自分のアイデアで実現したい人を支援したい」と話した。

 助成対象となる研究テーマは吉野さんが定める。「そのテーマを実現するのであれば、研究手法や資金の使い道はまかせる。好きなことをやってほしい」とした。

 また、将来のノーベル賞を目指す若者や子供たちへのメッセージとして掲げたのは「挑戦!」。「失敗を恐れて無難に過ごせば何も生まれない。だが失敗を何度も何度も繰り返せばどこかで成功する」と自身の経験に基づいた言葉を贈った。

 歴代ノーベル賞受賞者が受賞対象の研究を始めた平均年齢が30代半ばで、自身も33歳の時だったことを念頭に、「35歳まではエネルギーを蓄えるとき。誰かのためではなく、『未来の35歳の私』のために、今勉強してほしい」と語った。

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