ローカリゼーションマップ

「ちょっと別の土地で仕事しよう」 イタリア人は肩肘張らず国境超える (1/3ページ)

安西洋之
安西洋之

 ミラノ工科大学の先生たちとの仕事上のつきあいが多い。そこで気がつくことがある。海外の大学での授業のために、彼らが頻繁に出張することだ。欧州内はもとより北南米・アジアと飛んでいく。カンファレンスの基調講演のスピーカーとして呼ばれることもよく目にする。

 またイタリア人の知り合いで海外の大学で教員をやっている人も少なくない。あるいはメディアで取り上げられる教授がイタリア名だから移民二世や三世かと思うと、実は研究活動をはじめた後に移住している例も珍しくない。

 以前、イタリアの医療機器企業のマネージャーと雑談していたら、「欧州で評価の高い医学分野の論文ランキングを見ると、イタリア人の研究者が上位になっている。ただし、所属を見ると、イタリア国内の大学や研究機関ではなく、国外なのが特徴だ」と話していた。

 これらの現象を日常的に見ていて、個人として国外で名が知れて評価されているイタリア人が多いとは気づいていた。それが同時に「移民増加」という観点から問題視されていることも知っていた。

 先日、日刊経済紙の「イル・ソーレ・24オーレ」の記事が、ちょうどこの「移民増加」のデータを紹介していた。以下のような概要だ。

 「2017年のデータをみると、例年続いた移民増加の現象は横ばいに転じた。行き先としてドイツが安定的に多いが、この15年で増えた国は英国だ。欧州以外であると米国とブラジルである。年齢をみると18歳から39歳までがおよそ6万人だが、40歳から64歳までの年代も2万人を超えている」

 年間、12万人程度が移住しており、2017年の行き先別の数字をみると、英国(2万593人)、ドイツ(1万8524人)、フランス(1万2422人)、スイス(1万498人)であり、米国(5486人)とブラジル(6881人)は思ったより少ない。 

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus