働き方

ビジネスパーソンに必要なのは「没頭力」 仕事にのめり込むための工夫は? (2/2ページ)

 しかし、「没頭」においては、行為そのもの(勉強すること、運動すること)が喜びであり、目的です。ビジネスでは、報酬というと給与や昇進が思い浮かびますが、「没頭」できる仕事と出会い、「仕事そのもの=報酬」と感じることができれば、仕事を通して幸せになる人が増えてくるのではないかと思います。

 「没頭」できる職場環境をつくろう

 ビジネスや仕事で、「没頭」をどのように実践していけばよいのでしょうか。まずはメンバー全員が仕事において、自分の「好き」なことができる状態に近づけていく必要があります。人は多様なので、「没頭」できること、「好き」なことは人によって違います。また組織メンバーも最初から自分は何が「好き」なのかが分かっていないこともあります。

 そこでまず重要なことは、社員が組織の中で、自分のやりたいことを探し、表明し、互いに認め合えるようにすることです。

 次に、「没頭」するために集中力を高め、維持することができるような環境をつくる必要があります。「没頭」できる環境は人によって大きく異なります。ある人は他者がいない静かな場所を好み、またある人は、喫茶店のような環境でないと「没頭」できないかもしれません。このような個人が望む多様なワークスタイルを認めて、柔軟にマネジメントをしていく必要があります。

 また、「没頭」は、「中断」や「干渉」によって妨げられやすい性質がありますので、上司や人からの管理が少なくなり、自己判断や裁量が大きくなるような自己管理(セルフ・マネジメント)型の働き方を推進していくとよいでしょう。

 最後に、多様な働き方をサポートできるような制度や仕組みの構築です。サイボウズでは、画一的な人事制度を廃して、「100人100通りの人事制度」を実践しています。例えば、遠隔地で在宅勤務、週3日勤務、午後から出社等、さまざまなスタイルで働くことが認められ、しかもチームワークを大切にして仕事をしています。

 このように「没頭」できる職場環境をつくろうとすると、画一的な管理を手放す不安や多様であることの複雑さや面倒くささに直面します。また、自社のワークスタイルを労働法等と整合させていくことに、創意工夫が必要かもしれません。

 しかし、これからのビジネスにおいて、「創造性」が最も重要な経営資源であることを考えると、「没頭」できる環境をつくることは、目先の難しさを超えて、将来へ向けて組織に大きな財産を蓄積していくことになるのです。(ITmedia)

塩見 康史(しおみ・やすし)
 大企業の人事部門を経てスコラ・コンサルトに入社。組織開発、企業風土改革、戦略ワークショップなど、対話を通してチームで「新しい知」を創発するプロセスの支援を得意とする。 クラッシック音楽の作曲家でもあり(2017年朝日作曲賞受賞)、芸術創造の実践経験を生かした「創造的思考トレーニング」にも取り組んでいる。

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