キャリア

スタンフォード大学で生まれた、世界のエリートが「人生の決断」で悩まないコツ (1/3ページ)

 どのように過ごしていても、人生には必ず悩みや転機が訪れる。そのたびに悩んでいれば、人生は悩みの連続になってしまう。米スタンフォード大学で生まれた「人生デザイン講座」では、悩まずに決断を下すコツを教えている。いまや世界中のエリートが取り組むプログラムの要とは――。

 身動きがとれなくなってしまう人々には特徴がある

 「なんの悩みもなさそう」

 「あとは老後の心配だけだな」

 「ホントに“就活強者”って感じだよね!」

 なんて言われているからこそ、ほかの人には言えない大きな悩みを抱えている人は多くいます。言語化するのは難しいモヤモヤをつねに抱えている感じがする、順風満帆だったはずの人生に、急に疑問が湧いてくる……。

 そういう行きづまりこそが、本当に難しい人生の局面なのです。そこで下した選択はまさに「自分次第」で「自己責任」。でも実はそんな状況に追い込まれる人々からは、ある共通した考え方の特徴を見つけられることをご存じでしょうか。

 「行きづまり思考」をみな抱えている

 では、傍目には順調のように見えても身動きのとれない状態に追い込まれている、そんな人が持ちがちな考え方にはどのようなものがあるのでしょうか。初めに、3人の状況を取り上げてみましょう。

 わたしは30年、同じ仕事をし続けてきた。子どもも立派に社会人になり、老後の金銭的な問題も見当たらない。けれどそんな今になって「なぜこんなことをしているんだろう?」と思う瞬間がある。その一方で避けられないのは、こんな気持ちだ。「今までしてきたことをやめるわけにはいかない」「きっと、いまからじゃ手遅れだ」

 大学では、非常に興味深い数学の問いに取り組んでいた。今は飲食店のスタッフ。店長に昇進も決まった。喜ばしいことではあるが、なぜか閉塞感を感じていた。子どものころのように、非現実的な夢を追うことはできない。具体的な転職先も思いつかず、ほかの人生の選択肢もない。彼の脳裏には、こんな気持ちが浮かんだ。「世の中には、自分の足跡を残せない人間もいる」「もう手づまりだ」

 学業はとても充実していた。その甲斐もあったのか、友達から「就職活動もうまくいって、よかったね!」と言われている。でも、ぜいたくな悩みだとわかっているけれど、自分を選んでくれた2つの企業から一つを選ぶことができない。どちらで働いても、思い描く姿は十分に満足がいくものだ。けれど、どちらが「正解」なのかわからないのだ。つねに、こんな言葉に追い込まれている。「最高の人生を見つけ、プランを立て、実行しなければ」……

 行きづまってしまう人のたった2つのポイント

 これらの行きづまりに陥るポイントは2つ。「何をしたいのかわからない」「どうやったら解決できるのかわからない」です。これらは見た目よりずっと密接に結びついており、考え方を変えるだけ、とにかく行動するだけでは、行きづまりを解消することは到底できません。現状の問題と先の見通しを一時に行うことのできる方法を取り入れ、実践することが大切になってきます。

 大手企業も採用する「デザイン思考」

 意外に思えるかもしれませんが、クリエイティブな仕事に携わる社員の養成のため、大手企業からも注目を集めている“デザイン思考”が、人生の困難の解決にも役立つことが各国でも知られてきました。しかも、実はデザイン思考発祥の地ともいえるスタンフォード大学d.schoolには、学生からの人気も厚く、卒業後も人々が訪れるという「人生デザイン講座」があるのです。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus