社長を目指す方程式

新年度の転機を乗り越える「4つのS」 環境変化に負けない行動とは (2/2ページ)

井上和幸
井上和幸

 転機を乗り越えるための資源、「4つのS」

 シュロスバーグは、どんな転機でもそれを見定め、点検し、受け止めるプロセスを通じて乗り越えていくことができると言います。その転機を乗り越えるための資源は、Situation(状況)、Self(自己)、Support(周囲の援助)、Strategies(戦略)の「4つのS」とのこと。

 Situation(状況)は、引き金(何が今回の転機をもたらしたのか)、タイミング(この転機は時宜を得たものと言えるか)、コントロール(自分でコントロールできる部分があるか、それはどの部分か)、役割の変化(はどのようなものか)、期間(長く続くか、一時的か)、ストレス(ポジティブに捉えているか、ネガティブか)、過去に同じ転機の経験があったか、などの状況について。

 Self(自己)は、転機による変化の対処に関係する個性(年齢、男女、健康状態、社会的地位、民族性など)、心理的資源(楽観主義、自己効力感、コミットメント、価値観、レジリエンスなど)のこと。

 Support(周囲の援助)は、転機を乗り越えるための援助を受ける人脈を持っているか(配偶者、パートナー、親しい家族、友人、同僚、同業者、隣人、組織、団体…)、それらからどれくらいの好意(愛情、賞賛、尊敬)、肯定、助力を得ることができるか。

 Strategies(戦略)は、(1)状況を修正するように働きかける(2)問題の意味を変える(3)ストレスをマネジメントできるよう対応する、の3つが有効であるとしています。

 この4つのSについて点検を行い、今回の転機を乗り越えるために効果的な資源を特定し、その資源を強化する、と。ううむ、なるほどとは思いますが、なかなかこれを自分で客観的にパーフェクトに行うことは難しそうですね…。

 そこで私なりに効果的だと思うアクションアイテムを挙げてみたいと思います。

・状況の不透明さについて、深刻に考えすぎない。曖昧さを許容する

・自分自身を勇気付ける言葉やアイテム(元気が出る音楽や映画、食べ物など)を見つけておき、使う

・自分の努力で状況に良い影響を与えることができると信じる

・転機に関する意味や目的を持つ

 転機というのは概ねあちらからやってくることが多いですが、そのようなときでも、時々は自分から転機自体を変化させるような行動を取ってみる。あるいは転機の意味を変えるよう試みてみる。感じるストレスを逃す工夫を試みる。時には一時的に、何もしないなど頭(と心)から放置してみる。こんなことをやってみると、ふっと気持ちが軽くなり、気がつけば転機から抜け、新しい明日が始まっていることでしょう。

 人は皆、転機を繰り返して成長していきます。前向きな転機を積極的に仕掛け、ネガティブな転機をうまく乗り越えていくことが、リーダーとしての成長をもたらし、人としての器をサイズアップしていく王道となります。ぜひ、成長・進化し続けるキャリア展開のためにも、うまく転機に処していただければと思います。

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井上和幸(いのうえ・かずゆき)
井上和幸(いのうえ・かずゆき) 株式会社経営者JP代表取締役社長・CEO
1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。
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【社長を目指す方程式】は井上和幸さんがトップへとキャリアアップしていくために必要な仕事術を伝授する連載コラムです。更新は原則隔週月曜日。アーカイブはこちら

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