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不本意な異動にどう立ち向かうか “左遷”をあえてキャリアに活かす (1/2ページ)

常見陽平
常見陽平

 3月に入ってから、Twitterでやや炎上気味になっていたのが、朝日新聞社の青木美希記者の異動の件である。記者職を離れ、記事審査室に異動するという。北海タイムス(休刊)、北海道新聞を経て朝日新聞社に入社。これまでに新聞協会賞、貧困ジャーナリズム大賞、日本医学ジャーナリスト協会賞特別賞などを受賞してきた名記者である。

 本人のTwitterなどから、左遷ではないか、権力に批判的な記者を忖度し異動させたのではないかという憶測も飛び交った。一方で、メディア関係者も含め「新聞が記者だけで動いているわけではない。他の部署・職種の人に対して失礼」「通常の異動でありえること」などの意見が飛び交った。先日も、知人とこの話題となり、元雑誌記者から「記者、スタッフを経験して、役員になるという道もあるのでは」という意見が出た。

 果たして権力への忖度だったのかどうかは、ぜひ朝日新聞に説明してもらいたいところだが、あなたはどう捉えるだろうか。実はこれは「明日は我が身」の話だ。いや、明日どころか今日の話だ。コロナショックにより揺れる今日このごろだが、もうすぐ新しい期が始まる。異動や昇進・昇格シーズンである。

 「希望外の異動」をどうポジティブに捉えるか

 このシステム自体に対する批判の声も最近はよく聞かれるようになった。特に転勤を伴う異動は、育児や介護、さらにはパートナーの仕事にも影響を与える話である。希望外の異動はキャリア形成にも負の影響をもたらしかねない。昇進・昇格ですら望まない人がいる。管理職になるよりも、ずっとプレイヤーとして顧客と接していたいという人は周りにいないだろうか。いや、あなた自身もそうかもしれない。管理職になったところで、上司と部下の板挟みになるのではないか、他部署との調整業務や他の人の尻拭いも増えるのではないかという不安もあることだろう。残業代も基本的にはつかなくなるし、昇給したとしても割に合わないと感じる人もいることだろう。まさにメンバーシップ型雇用であり、会社に人生を預けてしまう日本のシステムの問題である。

 この異動や昇進・昇格のシステムに関する問題は根深いし深刻だし、青木記者同様、当事者になっている人もいることだろう。ちゃぶ台をひっくり返すが、ここでは「希望外の異動」をどうポジティブに捉えるかを考えたい。

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