社会・その他

「サザビーリーグ」創業者、株売却益130億円申告漏れ

 生活雑貨・飲食ブランド「アフタヌーンティー」などを展開する「サザビーリーグ」(東京都渋谷区)の創業者、鈴木陸三元会長(77)が東京国税局の税務調査を受け、同社株の売却をめぐり約130億円の申告漏れを指摘されていたことが3日、関係者への取材で分かった。過少申告加算税を含め約60億円を追徴課税(更正処分)されたもようだ。鈴木氏は処分を不服として国税不服審判所に審査請求している。

 関係者によると、鈴木氏は平成22年12月、オランダに資産管理会社「SRS」を設立。SRS社は翌23年、鈴木氏の親族らサザビー社経営陣が設立した投資会社「AHA」に出資し、約3万8千株を1株約5万円で取得した。同時期の22年11月~23年1月、AHA社は株式公開買い付け(TOB)などでサザビー社株を取得。サザビー社を吸収合併して同じ「サザビーリーグ」に商号変更した。

 SRS社は27年、所有していた株式のうち約1万9千株を新サザビー社に1株約8万円で売却。SRS社の所在するオランダは低税率国であることなどから、鈴木氏は日本の外国子会社合算税制(タックスヘイブン)に基づき、数億円の売却益を国内で申告した。

 これに対し、国税局は吸収合併後にサザビー社の資産が大幅に増加しており、株価は1株約84万円が相当と判断。本来の売却益は約150億円にのぼるとして、経費などを除く約130億円が申告漏れに当たると判断したという。

 鈴木氏は昭和47年に創業後、社長や会長を経て、平成30年6月に新サザビー社の取締役を退任した。同社の広報担当者は「個人の所得の話なのでコメントできない」としている。

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