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ラグジュアリーはモリスに回帰 社会性の高いクラフト感覚が求められる (1/3ページ)

安西洋之
安西洋之

 昨春から何度かラグジュアリーのあり方について、本連載で書いてきた。実のところ、このテーマに関わる前は「ラグジュアリーなんて!」と思っていた。しかし、どうもラグジュアリー周辺に何か新しい胎動があるのではないかと感じ始め、探索をはじめることにしたのだ。

 この1年間、ずいぶんと色々な人に会ってきた。その分野の商品を当事者として扱う人、当該分野をプロモートする人、アカデミックに研究する人、さまざまである。本や資料も少なからず読んできた。

 そして、ぼくの狙いはラグジュアリーの新しい意味、21世紀に消費者として台頭する新しい世代に対するラグジュアリーとは何か?を考えることに絞られてきた。

 ラグジュアリーの顧客層が変化しつつあることは、どの資料をみても明らかである。主力が欧州の中年以上の紳士淑女の世界ではないのは、既に1970年代からの傾向であった。1990年代には日本のパラサイトシングルの女性のラグジュアリー商品の購入が欧州のアカデミックの人たちの間でも話題になり、今世紀に入ってからは、中国やロシアの人たちが表舞台に出てくる。あるいは東南アジアの人たちも、そのなかに入ってくる。

 こういう新しい人たちは、旧大陸の顧客と比べると圧倒的に年齢が若い。しかも彼らの求める感覚は、文化圏を問わず共通しているところがある。例えば、ラグジュアリー領域にある企業は、他の領域の企業よりも「社会的な責任を果たすべきだ」との期待を、彼らはもっている。もっと言えば、彼らの次にやってくるZ世代(1990年代後半以降の生まれ)の到来に焦点があたる。

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