今日から使えるロジカルシンキング

成功する企業は戦略的に捨てている トレードオフは仕事に付き物 (2/2ページ)

苅野進
苅野進

 捨てずに突破する方法はあるか

 もちろん、技術革新や第3の要素を取り込むことでトレードオフのジレンマを突破できることがあります。

 教育現場において、生徒個人に合わせた個別化を進めることと授業料の高さはトレードオフになりますね。それが、AI教材によって低コストで解消されるかもしれません。

 また第3の要素とは、たとえばレストランのビュッフェは品質と価格というトレードオフを「セルフサービス」という第3の要素によって解消していますね。サービス担当の従業員を減らす(捨てる)という戦略によって、品質を高く、価格も安くというトレードオフの解消を実現しているのです。品質と価格だけでなくサービスという3つめの要素が存在していることを見抜いたことで実現したものです。

 人生も取捨選択の連続

 これは、個人の問題でも同じです。転職を考えているが、あれもこれも気になって結局前に進めなかった。新しいことにチャレンジしようと思ったのだが、時間が足りなくなって全部やめてしまったなんてことはありませんか? 思い描いた100点のプランではない時に、いかに80点、90点をしっかりと確保するのかを考えることが大切です。どちらを取るのか、どこに落とし所をおくのか。そこに向かい合うことから始めてみてください。

 いずれにせよ、「何と何がトレードオフの関係」なのかを把握することがスタート地点です。

苅野進(かりの・しん)
苅野進(かりの・しん) 子供向けロジカルシンキング指導の専門家
学習塾ロジム代表
経営コンサルタントを経て、小学生から高校生向けに論理的思考力を養成する学習塾ロジムを2004年に設立。探求型のオリジナルワークショップによって「上手に試行錯誤をする」「適切なコミュニケーションで周りを巻き込む」ことで問題を解決できる人材を育成し、指導者養成にも取り組んでいる。著書に「10歳でもわかる問題解決の授業」「考える力とは問題をシンプルにすることである」など。東京大学文学部卒。

【今日から使えるロジカルシンキング】は子供向けにロジカルシンキングのスキルを身につける講座やワークショップを開講する学習塾「ロジム」の塾長・苅野進さんがビジネスパーソンのみなさんにロジカルシンキングの基本を伝える連載です。アーカイブはこちら

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