社長を目指す方程式

いま上司が意識すべきコロナ後の変化 「第三のニュー・ノーマル」到来 (2/2ページ)

井上和幸
井上和幸

 上司にとっての、働き方の「ニュー・ノーマル」

 【コミュニケーションの新常態】 3密回避のため、読者の皆さんの多くが現在、リモートワークに踏み切られていると思います。これまで以上にメールやSaaSツール、グループウェアなどを使った業務を行うようになり、社内外の会議は一気にZoomやGoogle Meet、Microsoft Teamsなどのビデオ会議にスイッチされました。コロナ明けには一定のものが対面型に戻りますが、一方ではこれを機会にかなりのオンライン・ミーティングやオンライン業務が継続されることになります。

 コロナ後の<新常態>としては、オフラインと同等以上にオンラインが選択されるのではないでしょうか。上司の皆さんにはデジタル・コミュニケーション力、オンライン・リーダーシップ力が欠かせないものとなりました。

 【オフィスの新常態】 つい数カ月前まで都心部を中心にバブル期を上回る空前の空室率の低さが続いていましたので、誰がこのような「オフィス不要論」の時代が一気に到来すると思っていたでしょう? ドワンゴやGMOグループが大幅なオフィス縮小策などを打ち出し話題となっており、新型コロナ禍で業績が苦しくなったベンチャーなどがオフィスを全解約したなどのニュースが取り上げられています。オフィスを全廃する企業が多勢になるとは思いませんが(まともな経営をするならばライブで従業員が集まる場は絶対に必要です)、これまでのトレンドであったオープンスペースやフリーアドレスは従業員リスク回避の観点から廃れざるを得ません。オフィスでの3密回避としてはパーテーションなどの仕切りのあるデスク、ブース型のデスクがデファクトになっていくでしょう。賃料削減コストが執務内環境整備へ回されることになるのではないかと思います。

 【労務管理・雇用形態の新常態】 別の場でも書いたりお話ししたりしているのですが、現在の日本の労働法は、雇用者を「時間」でしか管理できません。これと今各社が対応している在宅ワーク、リモートワークなどをやりやすい労務管理には不整合が多く、今後、各所で議論が沸き起こり是正されていくことを期待しています。実体論としては、大きな流れとして「時間」ではなく「成果」で労務管理・雇用契約するかたちに移行する流れは押しとどめようがないと思います。そうすると、これまで働き方改革で議論されてきた「正規・非正規の同一労働同一賃金」問題や、複業対応、社員と外部委託者との関係なども、一気に整理されていくのではないでしょうか。これまでの「正社員」価値観で働いていると、同じレベル(あるいはそれ以上?)の成果を出せる「非正規社員」や「外注者」との差分が一気に均され、その人の本質的な仕事力が問われることになりますから、<仕事をしている振り・つもり>の人は要注意です。

 【転職・採用の新常態】 いま、各社は採用に関して、不要不急なヒトモノカネを一掃し、今後、自社が生き残るため、できれば勝ち残るために「コロナ後の世界」におけるコア・必須のヒトモノカネへのシフト、傾注を急いでいます。「いてもよかった」人については今後、厳しく存在価値が問われます。「絶対にいて欲しい」人、「具体的な成果を出してくれる」人だけ残し、また採用において「即戦力として成果を出してくれる」人、「今後のために大ナタを振るってくれる」人を各社は喉から手が出るくらい、急ぎで欲しています。

 求められる人とそうでない人との二極化が、あらゆる世代、職種、職責の方々に等しく問われます。また、オンライン・ワークの可能性を知ってしまったいま、転職の「敵」は、東京や日本に住んでいる人たちとは限りません。Zoomとグループウェアで働いている限り、その人が東京にいようが沖縄にいようが、アジアや欧州にいようが、業務上の距離感は全く変わりません。異なるのは唯一、AさんとBさんの、どちらがこの業務において成果を出してくれるのか、だけです(よね?)。

 先にお話しした通り、日本は「黒船」がやってこないと変われません。しかし、日本は「黒船後」に異様に強い国でもあります。ある意味、節操ないくらい(笑)それまでの価値観や慣習を捨て去り(忘れ去り)、変げできる国民性を持っています。今回もきっと逞しく、「新しい生活様式」に適用した働き方、生活スタイル、それを支える各種のサービス・商品・事業を実現することでしょう。

 上司の皆さんには、【非接触】【分散化】【清潔・抗菌】【巣ごもり環境を整える】といったキーワードに基づき、コロナ後の世界における「第三のニュー・ノーマル」を前提にマネジメント、ワークできるか否かがいま、問われ始めています。どうせなら、到来した新世界を先んじて取り込み、リーダーシップを発揮しようではありませんか!

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井上和幸(いのうえ・かずゆき)
井上和幸(いのうえ・かずゆき) 株式会社経営者JP代表取締役社長・CEO
1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。
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【社長を目指す方程式】は井上和幸さんがトップへとキャリアアップしていくために必要な仕事術を伝授する連載コラムです。更新は原則隔週月曜日。アーカイブはこちら

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