社長を目指す方程式

「高業績の追求」と「良いチーム創り」は両立し得るのか (1/2ページ)

井上和幸
井上和幸

 《今回の社長を目指す法則・方程式:ADPリサーチ・インスティチュート「チームリーダーの3つの仕事」》

 新型コロナは収束どころか再燃し、全国に飛び火する感染拡大に日本国民全員が戦々恐々としているところです。先行き不透明なウィズコロナ環境下、事業活動としては各社ともに自社の事業リスク・経営リスクへの警戒感、危機感を強め、収益確保が大命題となっています。

 上司の皆さんには、兎にも角にも「高業績を上げること」が厳しく問われている状況。しかし上司の皆さんの気持ちとしては、もちろん業績第一は分かるのだけれども、就労環境・雇用環境的にも不安定感が増し、部下たちも不安な気持ちを抱えたりモチベーションが下がったりしがちな中、業績一辺倒ではなく「良いチームを創り、率いたい」…そのような気持ちの揺れを抱えていらっしゃるところかと思います。

 さて、そこで考えてみたいのが、そもそも「高業績の追求」と「良いチーム創り」は二者択一的な対立することなのでしょうか?(何となくそのようなイメージをお持ちの方は多いと感じます)。言い方を変えれば、「高業績の追求」と「良いチーム創り」は両立し得るのでしょうか? 今回はそこに迫ってみたいと思います。

 「良いチーム創り」VS 「高業績を上げる」の解

 「高エンゲージメント組織を生み出すカギ 部下に聞きたい8つの質問」の回でご紹介しましたが、ADPリサーチ・インスティチュートによれば、そもそも高業績チームとそうでないチームの比較調査を行ったところ、高業績チームでは低・中業績チームに比べて際立った8つのエンゲージメント項目が発見されました。

 それを括って大別してみると、高業績チームでは(1)チームまたは会社として使命や価値観を共有できていること(2)私個人に期待されていること、強みの発揮機会、成長機会、承認機会があること、の2つを満たしていることが分かります。

 ここまでで早速、今回の疑問である【「高業績の追求」と「良いチーム創り」は両立し得るのか?】についての、明確な回答が出ました。そう、この2つは二択ではなく両立し得る、というよりも、「良いチーム創り」こそが「高業績の追求」に直結するのです。ここは、昨今のような戦々恐々としがちな職場環境においては、上司の皆さんにはしっかり再確認、再認識頂ければと思うところです。

 とかく厳しい事業状況、商況となりますと、どうしても上司各位はピリピリしてきますし、目先の数字の達成状況にばかり気持ちがいきがちです。すると、「おい、何とかしろ」「のんびりしている場合じゃない」「必死でやってるのか」というような追い込みモードに入ります。それが不要ということではありませんが、そもそも事業や商品、サービスの意味、意義、価値についてしっかり認識し提供に動くという、業績作りの土台の部分をないがしろにしたり忘れてしまったりして逆に足場が覚束なくなる行動に振ってしまったり、メンバー個々人のやりがいやテーマ、成長などに基づくコミットメントを毀損するような行動管理に陥ってしまうケースが非常に多いと思います。こうした上司のマネジメントは、業績をテコ入れするどころか、逆に更に悪化させる原因となっている訳です。

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