最強のコミュニケーション術

HSPに「普通」を強要する残酷さ 自分も損をしない衡平な接し方 (1/3ページ)

藤田尚弓
藤田尚弓

 伝え方や言い回しを変えると、自分を取り巻く環境が変わり、やってくるチャンスも変わっていきます。皆さんは自分のコミュニケーションに自信がありますか? この連載ではコミュニケーション研究家の藤田尚弓が、ビジネスシーンで役立つ「最強のコミュニケーション術」をご紹介していきます。

 第19回は「傷つきやすい人への接し方」がテーマです。皆さんは「HSP(Highly Sensitive Person:ハイリー・センシティブ・パーソン)」と呼ばれる感受性が強すぎる人たちがいるのをご存知でしょうか。先天的に感受性が高く、敏感と言われるHSPは、決して特別な存在ではありません。一説によれば5人1人とも言われています。本連載の第13回では、「HSPの4タイプ」や自分にHSP傾向があるかの目安になる「HSPチェックリスト」をご紹介しました。

 もし自分の周りに「HSPかな?」という人がいた場合、どのように接するのがいいのか。また、些細なことで傷ついてしまう人へのモヤモヤにはどう対処すればいいのか。先天的に傷つきやすい人とのコミュニケーションの取り方をご紹介します。

 「気の持ちよう」と片付けて、HSPに「普通」を強要する残酷さ

  • 敏感なため、人の顔色や意見を過度に気にしてしまう。
  • ちょっとした表情や言葉で傷ついてしまうことがある。
  • 感情反応が大きいので、気持ちの振れ幅が多い。
  • 大きな声や複雑な仕事に圧倒されてしまうことがある。

 こんな特徴を持つHSPに対して、私たちはどのように感じるでしょうか。繊細なHSPにとって、どれだけ刺激を強く感じてしまっているかを想像できないと「打たれ強さが足りない」「こらえ性」がないといった考え方をしてしまいがちです。

 居眠りしている様子を見て「不真面目な人だ」と思ってしまうように、私たちは自分が目にした行動を見て、その人がどんな人間かを想像してしまう特性があります。「昨夜は腹痛で眠れなかった」といった特別な事情があったとは考えには至りにくく、自分が目にした行動だけで相手の特性を推測してしまいます。このような事象は「自発的特性推論」と呼ばれ、無意識のうちに行われることがわかっています。

 HSPは、先天的に刺激に過敏です。そのため、指示の仕方が悪いときや置かれた環境が悪いときなどには、私たちが考える通常の成果を出せないことがあります。それを特性だと無意識のうちに推論し、「仕事ができない」「気分にムラがある」などと誤解してしまうこともあるでしょう。しかし、先天的な特性といわれるHSPに対して「気の持ちようだ」と言ってしまったり、「このくらい我慢すべき」と強要するのは、私たちが思っている以上に残酷なことかも知れません。

 HSPは過敏であるがゆえに、小さな変化に気づく、繊細な調整ができるといった強みもあります。彼らの特性を理解し、配慮したコミュニケーションをとることで、仕事の効率を上げることを考えてみませんか。

 「なんで、特別扱いしなければならないんだ」「みんなも辛さを抱えながら頑張っている」と考える人や、配慮ある対応に対して「不公平さ」を感じる人には、ぜひ「衡平」という考え方を知ってほしいと思います。

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