社会・その他

日産元代表取締役のケリー被告ら初公判 検察側と弁護側の冒頭陳述要旨 (1/2ページ)

 日産自動車元会長、カルロス・ゴーン被告の役員報酬を過少に記載したとして、金融商品取引法違反罪に問われた日産自動車元代表取締役、グレゴリー・ケリー被告らの初公判が15日、東京地裁で開かれた。検察側とケリー被告の弁護側の冒頭陳述の要旨は次の通り。

 検察側の冒頭陳述要旨

 【ゴーン被告の権限】 ゴーン被告は平成11年、経営再建のため仏大手ルノーから日産に派遣された。ゴーン被告は、自身を含む各取締役の報酬額を最終的に決定する権限を有していた。

 【犯行に至る経緯】 金融庁は22年、役員報酬個別開示制度の導入に向けて本格的に動きだした。ゴーン被告は当時、高額報酬が明らかになるのを避けるため、ケリー被告らに指示し、金融庁に働き掛けるなどして導入を阻止しようとした。

 しかし、制度は同年3月に開始され、ケリー被告は、開示されるゴーン被告の報酬額を10億円未満に抑える方策を検討。開示報酬額を除く残金を支払うために利用する目的は秘して、子会社の設立を経営会議に提案し承認を受けた。

 【共謀成立状況】 ケリー被告は23年3月、報酬の一部の開示を避けつつ確実に支払う案を、元秘書室長にまとめさせて複数をゴーン被告に提示。ゴーン被告は退任後に相談役の報酬名目で支払いを受ける案を選んだ。元秘書室長はゴーン被告から合意文書作成を指示され、ケリー被告にも合意文書の原案を示し確認を受けた。

 合意文書は、確定報酬額や支払われた報酬額、延期された未払い報酬額を1円単位で明記し、退任後に相談役報酬の名目で支払うとの内容だった。

 以上の経緯で、報酬の一部のみをゴーン被告に支払った上で有価証券報告書で開示し、残額は支払いを延期して未払い報酬として継続的に管理し、別名目などで開示を避けつつ確実に支払う方針が定まった。

 【役割分担】 ゴーン被告は元秘書室長に対し、未払い報酬の支払い方法を考えるのがケリー被告の役割と度々言及していた。ケリー被告も「私の仕事はゴーンさんに支払いを受けさせることだ」などと口にしていた。報酬支払いに関する合意文書は、元秘書室長が作成し、ケリー被告が確認した上でゴーン被告が署名していた。ゴーン被告は合意文書を自宅金庫に保管していた。

 【犯行状況】 ケリー被告、ゴーン被告らは、虚偽の報酬額を記載した有価証券報告書を提出した。

 ケリー被告弁護側の冒頭陳述要旨

 【無罪主張】 ゴーン被告が「役員として受ける財産上の利益」は、有価証券報告書で報告された金額が唯一かつ真実だ。検察官が主張するような報酬支払いの合意は存在しない。ゴーン被告の取締役報酬の決定に被告は関与していないし、共謀した事実もない。被告は無罪だ。

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