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やりたい事を見つけた息子 親としてのアドバイスは (1/3ページ)

安西洋之
安西洋之

 この秋から息子がミラノ市内の大学に通い始めた(といっても、このご時世、オンライン授業の方が多いのだが)。ミラノで生まれ育った彼は、欧州のなかで働いていきたいと思っている。18歳に成人となって自ら動いてイタリア国籍を取得したのも、そういう希望と絡んでいたようだ。イタリア国籍があればEU内、どこでも自由に住み働けることができる。

 高校生の時、社会貢献活動やスタートアップの人たちが集まるコワーキングスペースにインターンに2年間ほど行かせた。この領域の人たちのものの考えや行動パターンに馴染ませておくのは、これからの社会を生きるにあたり大切な「教養」になるだろうと思ったのだ。

 夏休み中は、日本でのぼくの講演やミーティングに息子を同伴させた。そうして、大人たちの間でどういう議論が交わされているかを「門前の小僧」として知ることになった。 

 一方、数年前からどういうわけか写真撮影するのが好きになった。一眼レフカメラを抱えて、しょっちゅう街中を撮り歩いている。特にデモ行進やイベントのシーンを好む。その撮影や画像処理スキルを活かしたいと思ったのか、昨年、セーブ・ザ・チルドレンが募集していたボランティアに応募した。

 そこで採用された彼は、アーティスト、科学者、官僚、市民活動家など多様な人にインタビューした記事を写真と共に財団のメディアに掲載している。毎週一度、イタリア全土に散らばるセーブ・ザ・チルドレンの高校生から大学生までのボランティア仲間とビデオミーティングをしている。取材や掲載のスケジュールを話し合っているようだ。

 そういう経験を積んで自信ももってきた息子が、この夏、大学に行かずに写真と文章で食っていきたいと言い始めた。さて、どうアドバイスするか? ということを夫婦で話合い、ぼくもあれやこれやと考えることになった。

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