社会・その他

「来夏は富士山開山を」学術委が工夫求める 登山鉄道構想には慎重意見

 15日に開かれた、富士山の保全策などを専門家が検討する「富士山世界文化遺産学術委員会」では、新型コロナウイルスの影響で今夏は登山道が全面閉鎖されて山開きが行われなかったことについて、遠山敦子委員長(県富士山世界遺産センター館長)が「来夏は何とかいろいろ工夫して開山してほしい。学術委員会としてお願いする」と強く促した。

 静岡県富士山世界遺産課は、来年の開山に向けた新型コロナ感染症対策を山小屋関係者らと検討していると明らかにした。山梨県はすでに山小屋に対する感染症対策経費の補助制度を創設しており、静岡県では各市町が補助する方向で制度設計を行っている。

 富士山は今夏、記録が残る限り史上初の閉鎖に至った。両県は「登山道は常に密集している状態で、山小屋は密を避けにくい。富士山で感染者が発生したら対応が難しい」として、山頂につながる全4ルートをバリケードで封鎖。静岡県側では5合目まで通じる3つの県道も閉じられ、両県警は「遭難しても救助は困難」と強行登山を控えるよう呼びかけた。

 実際にどのくらい入山者がいたかは明らかになっていないが、結果的に静岡県側では遭難者はいなかった。同県富士山世界遺産課の滝正晴課長は「閉山は成功だった」と総括。来夏に向けて「何とか開山するためにさまざまな対策を検討しているところだ」と語った。

 会議では「富士山登山鉄道」構想について、前のめりになる山梨県側にくぎを刺すような発言も。遠山委員長は会議で「中間提言は学術委が構想にゴーサインを出したものではない」との認識を示した。静岡県の担当者も会議終了後に「登山鉄道が富士山の価値を下げるようなものであれば容認できない」と述べた。

 構想では、山梨県側の有料道路「富士スバルライン」上に次世代型路面電車(LRT)を敷設して、車両を通行不可とすることが検討されている。

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