元受付嬢CEOの視線

受付嬢時代に培った「テロ対応」と「昼寝」が会社経営に役立つなんて… (2/2ページ)

橋本真里子
橋本真里子

感情を押し殺さなくても笑顔でいられる方法

 会社を引っ張っていく立場として、一番やってはいけないことは「自分が腐ること」だと思っています。会社の中心である経営者や経営陣が下を向いていては、従業員もついていこうというマインドにならないと思います。しかし、当たり前のことですが私も人間です。私だって凹んだり、辛さを感じたり、時には泣きたくなることもあります。でも、それを人に見せることは基本的にはやってはいけないと思っています。

 人によっては、「感情が乏しい」や「人間味がない」と思われるかもしれませんが、私はやっぱり経営者は常に前を向いて、誰よりも会社の事業やメンバーを信じることが大切だと思います。そういうマインドにつながっているのは、これまた受付嬢時代に培ったスキルが生かされています。

 「会社の顔」である受付嬢は、常に笑顔で、自身のテンションや機嫌の良し悪し関係なく、「平等」に接することが仕事です。ある意味「人形」のように見えるかもしれませんが、負の感情を押し殺さなくては笑顔でいることはできません。例えば、前回の訪問時は「とても丁寧に接してもらった」という印象を持ってもらっていたとしても、次回に「全く態度が違った…」という印象を与えると、お客様にはマイナスな印象しか残らないと思います。

 そして、常に笑顔でいるためには「負の感情」を押し殺すことだけではダメなのです。どんなこともポジティブに捉え、前向きなマインドを持つことも必要です。そこで初めて、お客様に「伝わる笑顔」になれるのです。経営者としても、従業員やお客様に目の奥では笑っていない笑顔で何を言っても、説得力が出せませんよね。むしろ、マイナスです。私は「演じる笑顔」ではなく、常に「心から生まれる笑顔」でいられる方法を受付嬢時代に見つけることができました。

あくび一つも許されず どこでもすぐに眠るスキルが発達

 ここまで、ちょっとカッコ良すぎる内容になっているような気がして恥ずかしいので(笑)、オチ的なスキルもお話ししたいとも思います。それは、「いつでもどこでも、そして数分でも眠れること」です(笑)

 以前この連載でも触れましたが、受付嬢は常に人目に晒されており、実はかなり疲労が溜まりやすい仕事なんです。あくびの一つも許されないわけですから。だから受付嬢の昼休みは、お昼寝がつきものです。

 その回ではお伝えし切れなかったかもしれませんが、受付嬢のシフトには午後に15分程度の休憩を1、2回入れている企業が多いんです。お化粧直しやお手洗い、そしてちょっと小腹がすいた時にはおやつが食べられる程度の時間ですが、多くの受付嬢は、週の後半や来客が多い繁忙期はその小休止ですら、寝ます(笑) だから受付嬢は、短い時間でも場所を問わず、寝て体力を回復させることができるのです!

 このスキルは、経営者になってもエネルギーの回復に非常に有効です。時間が限られているからこそ、合間を見て、体力を温存・回復させる…。会社経営とはよく「長距離マラソン」(私は、「障害物長距離」(ゴールが見えない《笑》マラソン)と例えますが、そう考えると、休息をうまく取ることも、もしかすると経営者として重要なスキルなのかもしれませんね。

橋本真里子(はしもと・まりこ)
橋本真里子(はしもと・まりこ) 株式会社RECEPTIONIST 代表取締役CEO
大学卒業後、IT企業を中心に上場企業などで受付業務に従事。受付嬢として11年間、のべ120万人以上を接客。2016年にRECEPTIONIST(旧ディライテッド)を設立。2017年にクラウド型受付システム「RECEPTIONIST」をリリース。2018年以降は日程調整機能「調整アポ」、会議室管理「RECEPTIONIST For Space」など、受付に付随するビジネスのコミュニケーションの一元化を目指すサービスも展開し、導入社数は3000社超。

【元受付嬢CEOの視線】は受付嬢から起業家に転身した橋本真里子さんが“受付と企業の裏側”を紹介する連載コラムです。アーカイブはこちら

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