地域性としてはどうでしょうか。LVMHが10月に発表した資料を見てみましょう。
ヨーロッパのブランドグループですが、ヨーロッパ以外でヨーロッパの3倍近くを売り上げています。「ヨーロッパ1:アメリカ1:アジア2」といった割合ですのでバランスよく分散させていると言えます。
「これからはアジアの時代だね」とか「ルイヴイトンのような、これ見よがしのブランドよりも今はセリーヌのような落ち着いたのがいいね」といった「流行や景気の移り変わり」を吸収できる体制がまさに「ポートフォリオ」戦略なのです。
今のところ、大きな集合体は資金が豊富なので、ビジネストレンドとしては各分野で、このような大企業集合体が生まれる流れが強くなっています。
スキルやキャリアも「ポートフォリオ戦略」
このポートフォリオという考え方は、なにもLVMHのような超大企業だけに当てはまるものではありません。個人のスキルを増やすことや、副業を考えることなどでも応用できます。「移り変わり」「流行り廃り」への準備は、これまで以上に大事になってくる時代ですので、ぜひみなさんも視野を広げてみてください。上手なポートフォリオのコツは、「いままでの経験・資産を活かせるが、今の分野とは関係ない、もしくは相反する分野を選ぶ」です。
【今日から使えるロジカルシンキング】は子供向けにロジカルシンキングのスキルを身につける講座やワークショップを開講する学習塾「ロジム」の塾長・苅野進さんがビジネスパーソンのみなさんにロジカルシンキングの基本を伝える連載です。アーカイブはこちら