CAのここだけの話

フライト激減の裏で潤うCA生活 おうちごはんで機内サービスのスキル向上中 (2/2ページ)

神原李奈
神原李奈

コロナ太り対策で一石三鳥!?

 客室乗務員の仕事は、おそらく皆さんが想像している以上に体力を使う仕事です。

 機内では、離陸と着陸の時間以外は、立っていることがほとんどです。重い荷物を運ぶ、色々な場所に収納されている物品を取るためにしゃがんだり立ったりを繰り返すなど、とにかく足腰が鍛えられます。しかも、それをヒールのあるパンプスを履いて、数時間から十数時間行うのです。慣れていてもさすがに長時間のフライトだと、足の裏が痛くなることもあります。このように、フライトがあればそれだけでも十分な運動になります。

 そのため、今回のように、フライトの数が減ったり、なくなったりすると、運動量がいっきに減ってしまい、いわゆる“コロナ太り”もしやすくなります。健康維持の観点だけでなく、いつフライトに戻っても良いように、トレーニングの回数を増やし、できるだけ外を歩くようにしています。

 トレーニングは、Zoomを使用したオンラインでのレッスンを週に2回受けています。以前は忙しくて頻繁に受けられなかったレッスンですが、定期的に受けることで明らかに体が変わりました。筋肉・体力もつき、代謝も良くなった気がします。

 さらに、わたしは犬を飼っているので、時間があるときはなるべく犬の散歩をするようにしています。今年の夏は暑かったので、マスクをしながらの散歩は息苦しく大変でしたが、外に出て気分転換にもなりますし、犬も喜び、一石三鳥になるほどでした。

一番の変化! 家族との時間が増えた

 新型コロナウイルスの影響で一番変わったのは、家族との時間が増えたことです。きっと多くの方がリモートワークの機会が増え、同じように自宅での時間、家族との時間が増えたのではないででしょうか。フライトが減ってしまったことは残念ですが、家族と過ごす時間が増えたのはとても嬉しいです。

 わたしは2年前に結婚しましたが、フライトがある間は家を空けていました。フライトがない期間も、土日休みで平日は忙しい夫とゆっくり話す機会があまりありませんでした。新型コロナウイルスにより夫の働き方にも変化があったということもありますが、いっしょに夕食を食べたり、話をする時間も増え、夫婦らしい生活ができている気がします。

 また、あらためて家族の大切さを実感し、新型コロナウイルスで失ったものよりも得たものが多いように思います。

 今後も新型コロナウイルスの影響はまだまだ続きそうですね。少しずつ経済は再開していますが、生活がいっきに元通りになるとは思えません。ただ、この時間も無駄にせず、今できること、与えられた環境を大切に、過ごしていきたいと思います。

青山学院大学英米文学科を卒業後、日系航空会社の客室乗務員として4年間勤務。不規則な食生活から健康と食の強い結びつきを実感し、食の世界に興味を持つ。同社を退職後、大手料理教室の講師の経験を経て、得意だったパン作りを活かし、パン教室「りなぱん~手ぶらでおうちパン教室~」を開く。それと同時に栄養士養成専門学校に通い、栄養士免許を取得。現在は、外資系航空会社で客室乗務員をしながら、栄養士として健康や食に関する情報を発信している。

【CAのここだけの話】はAirSol(エアソル)に登録している外資系客室乗務員(CA)が持ち回りで担当します。現役CAだからこそ知る、本当は教えたくない「ここだけ」の話を毎回お届けしますので、お楽しみに。隔週月曜日掲載。アーカイブはこちら

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