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テレワーク普及で“地方移住”は加速するか 3月に高崎市が移住定住促進シンポ (1/3ページ)

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で「テレワーク」(在宅勤務)が普及。通勤から解放されたことで大都市圏を“脱出”し、地方移住を検討する人が増えている。注目されているのは、都心のオフィスに定期的に出社することもできる大都市圏に隣接する自治体だ。子育ての環境が整った自然豊かな街が脚光を浴びている。名産品の縁起だるまで知られる群馬県高崎市は「移住定住促進プロジェクト」として魅力を発信。さまざまな移住の形を考えるきっかけにしてほしいと、今月の毎週末には、Web会議システムRemoを使った「高崎移住定住シンポジウム」を5回連続で開催する。ニューノーマルの時代に求められる移住、定住先とは。

 住環境に求める価値観の変化

 「コロナ禍によって、多くの人や企業がテレワークは成り立つということを実感した。どこからでもいつでも働ける。そういったことができる環境が整ってきた」

 ニッセイ基礎研究所の准主任研究員の佐久間誠さんはこう指摘し、「テレワークを機に、(都心の)外に行こうかという動きにつながった。自分の人生や生き方、家族との時間の過ごし方を考え、方向転換する人が増えたのではないか」とみる。

 こうした動きはすでに、数字に表れている。総務省が1月29日に公表した人口移動報告によると、東京都は転入者が転出者を上回る「転入超過」が3万1125人と前年から5万1857人減り、現行集計を始めた2014年以降で最少となった。テレワークの普及によってオフィスのある都心に住むという優位性も薄れたためとみられる。「東京圏」といわれる埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県全体でも、転入超過は4万9540人減の9万9243人に縮小している。

 いわゆる“住みたい街”の勢力図にも異変が生じており、不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S」(ライフルホームズ)の「コロナ禍での借りて住みたい街ランキング(首都圏版)」で昨年1位に躍り出たのは、都心から電車で1時間ほどの「本厚木」(神奈川県厚木市)だった。豊かな自然環境と子育て支援の手厚さが評価され、三軒茶屋や吉祥寺、池袋といった人気の街をしのぐ躍進となったことが話題になった。

 内閣府が昨年12月24日に公表した生活意識・行動の変化に関する調査によると、東京圏在住者が地方への移住に関心を持つ理由は「人口密度が低く自然豊かな環境に魅力を感じたため」が28.8%と最も多く、次いで「テレワークによって地方でも同様に働けると感じたため」の24.1%だった。「ライフスタイルを都市部での仕事重視から、地方での生活重視に変えたいため」が17.9%と続いており、「withコロナ」の時代、生活様式の変化で住環境に求める価値観も大きく変わりつつことがうかがえる。

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