働き方

フォード、コロナ後も在宅勤務を恒久化 ハイテクと人材争奪戦に照準

 米自動車大手フォード・モーターが、新型コロナウイルスの感染収束後も本社従業員など3万人余りに在宅勤務継続を認める「柔軟なハイブリッドワークモデル」を発表した。必要なときにだけオフィスを利用するという負担の少ない働き方ができるようになる。背景には電気自動車(EV)開発などをめぐるハイテク業界との人材争奪戦がある。

 従業員は会議やチーム構築活動のためにオフィスに出勤する一方、「集中してする仕事」については在宅勤務を選ぶことができる。この制度は早ければ7月にも開始され、主に正社員に適用される。工場労働者には適用されない。最初に北米で実施される。

 多くの雇用主と同様、フォードは従業員が毎日通勤せずに在宅で働くことの良さを分かってきたという現実に対応している。コンサルティング会社ウィリス・タワーズ・ワトソンが雇用主を対象に実施したグローバル調査によると、世界の労働者の半数が今は在宅勤務をしており、新型コロナ流行以前の水準から11%増加した。コロナ危機収束後も、世界の労働者の約3割が在宅勤務を続けると見込まれている。

 昨年夏に実施した調査では、フォードの世界全体の管理(非生産)部門の従業員の95%がパンデミック後も在宅と出勤を織り交ぜた勤務形態を続けたいと答えた。同社の従業員数は昨年末時点で18万6000人。

 同社の不動産部門のグローバルディレクターを務めるジャッキー・シャク氏は「パーテーションで区切られたオフィスはもはや必要ない。当社は従業員の負担をできるだけ軽減することに努めている」と話した。

 フォードにとって、従業員の満足度向上は人材獲得の主要な手段だ。自動車業界全体がEVや自動運転車開発に向けた技術革新を進める中、同社は技術系の人材獲得でシリコンバレー企業と火花を散らしている。

 米国のハイテク企業は長い間従業員に在宅勤務の選択肢を与えてきたが、今ではハイテク以外の企業も従業員が在宅で仕事をしても生産性がほぼ変わらないことに気づいたため、柔軟な働き方を支援している。

 関係者によると、米投資ファンドのアポロ・グローバル・マネジメントは週2日在宅勤務ができる選択肢を社員に与える方針だ。一方、米百貨店大手メーシーズのように対応を決めかねている企業もある。同社の方針が決定するのは今年後半になる見通し。(ブルームバーグ Keith Naughton)

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