働き方ラボ

新年度の目標、高すぎてはいないか?  陥りがちな「4月病」を防ぐコツ (2/2ページ)

常見陽平
常見陽平

 より具体的に説明しよう。次のような人は周りにいないだろうか?

・上司との目標達成面談で、いきなり高すぎる数字を設定する

・先輩に対する下剋上などを宣言する

・突然、オンライン異業種交流サークルを立ち上げる

・習い事をいくつも始める

・突然、TOEIC990点をとると宣言しだす

・春だからとやたらと環境を変えたがる

 いや、気持ちはわからなくはない。私自身も、シェア農場を借りたり、1年後にボディビルのコンテストに出ると決め白米を食べることをやめ、筋トレに没頭するなど、意識がRISING、RISINGである。一方、頑張りすぎても成果が出ず、結果として疲れてしまうということがある。意識が高すぎて、まわりが引いてしまうということもあるだろう。

 ここではっきりと言っておきたいのは、そもそも、春はそんなに楽しいものなのか? たしかに、春というと、何かウキウキする人もいることだろう。暖かくなると、気分も上がる。エリアによっては雪がとけて歓喜する人もいることだろう。桜が咲き、花見をするとさらに気持ちが高まる(今年は何かと規制されたが)。

 一方、たくさんの嫌な想いもしてこなかっただろうか? 他人の出世に焦ってしまったことはないか? 不本意な異動に困惑してしまったことや、会社や社会の未来に不安を抱いたりしないだろうか。そういう視点で見ると、春は「楽しくないシーズン」なのだ。それを吹き飛ばすほどの、この浮かれた空気はまさに“自然の力”といえる。

 「4月病」を防ぐためには…

 「4月病」「5月病」を防ぐために、私がこの春すすめることは「意識普通系」でいこうということだ。常に平常心を保つこと、悲観も楽観もしないことである。

 このコロナと向き合う時代に、大事にすることがあるとしたら、心と体の健康を維持することだ。もっと言うならば、快適にはとことんこだわることである。衣食住の見直し、健康に関わることの見直しを始めよう。

 私が最近、意識的に取り組んでいるのは、住まいに植物を増やすことである。これがあるだけで気持ちが安らぐ。世話をすることで生きている感覚を取り戻すことができる。

 季節や環境の変化に流されず、息抜きながら生き抜こう。そして、休むことをサボらずにいこう。

常見陽平(つねみ・ようへい)
常見陽平(つねみ・ようへい) 千葉商科大学国際教養学部准教授
働き方評論家 いしかわUIターン応援団長
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。リクルート、バンダイ、クオリティ・オブ・ライフ、フリーランス活動を経て2015年4月より千葉商科大学国際教養学部准教授。専攻は労働社会学。働き方をテーマに執筆、講演に没頭中。主な著書に『なぜ、残業はなくならないのか』(祥伝社)『僕たちはガンダムのジムである』(日本経済新聞出版社)『「就活」と日本社会』(NHK出版)『「意識高い系」という病』(ベストセラーズ)など。

【働き方ラボ】は働き方評論家の常見陽平さんが「仕事・キャリア」をテーマに、上昇志向のビジネスパーソンが今の時代を生き抜くために必要な知識やテクニックを紹介する連載コラムです。更新は原則隔週木曜日。アーカイブはこちら。その他、。YouTubeチャンネル「常見陽平」も随時更新中。

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