最強のコミュニケーション術

この発言、ぜんぶOUT! 企業が「ダイバーシティ」を尊重すべき本当の理由 (1/3ページ)

藤田尚弓
藤田尚弓

 伝え方や言い回しを変えると、自分を取り巻く環境が変わり、やってくるチャンスも変わっていきます。皆さんは自分のコミュニケーションに自信がありますか? この連載ではコミュニケーション研究家の藤田尚弓が、ビジネスシーンで役立つ「最強のコミュニケーション術」をご紹介していきます。

 第28回は「ダイバーシティ(多様性)」がテーマです。女性蔑視やLGBTへの配慮のない失言などが批判される時代になってきました。森喜朗氏が「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などと発言したことについて国内外から批判が相次ぎ辞任問題に発展しましたが、世界的にダイバーシティの重要性が改めて見直され、今後も発言に注意することはますます求められるようになるでしょう。職場ではどのような発言がNGなのか。具体例を確認しておきましょう。

「性別」「年齢」「人種」「障害の有無」だけではない

 昔はOKだった失礼な発言も、最近では「失言」や「ハラスメント」だと認識されるようになりました。配慮のない発言をする人は、批判をされますし、管理職として適切でないと評価されることもあります。

 「女性と話すときには気をつけている」など、配慮のない発言はしないように注意しているつもりの人は多いと思います。でも、それで本当に十分でしょうか。

 ダイバーシティというと性別、年齢、人種、障害の有無などだけを指すものだと思う人は多いと思います。ダイバーシティは、個人の持つあらゆる属性を指していますので、住んでいる場所、家族構成、教育、性的指向、外見、趣味、出身地、体格、勤務形態なども含まれます。そう考えると、配慮は特定の人だけではなく、組織の全員に必要だということがおわかりいただけると思います。具体的にどんな発言がNGなのか、具体例を見ながら確認しておきましょう。

これ全部アウトです! 配慮のない発言

性別:

「女なんだから、○○くらいはやらないと」「男のくせに、こんなこともできないのか」「愛嬌のない女は最低だぞ」

年齢:

「若造のくせに」「最近の若者は根性が足りない」「老害は早くやめてくれないかな」

家族構成:

「結婚して一人前」「早く結婚しないと子供が産めなくなるよ」「離婚なんて子供がかわいそう」

教育:

「Fランク大学だよね」「院卒は逆に使えない」「彼は頭使うのは苦手だから」

性的指向:

「ゲイということは、俺も狙われちゃうの?」「認める派だけど正直気持ち悪い」「美人なのにもったいない」

外見:

「美人は得だよな」「またハゲてきたんじゃないか」「もうちょっと小綺麗にできないの」

趣味:

「オタクだよね」「そんなことにお金をかけるなんでバカじゃない」「他にやることないの」

体格:

「なんで努力しないの」「自己管理ができていない」「見ている周りの人も不快にさせる」

勤務形態:

「パートの人は黙ってて」「社員のまま育休とる気?」「非常勤は気楽でいいよな」

「言葉狩りだ」 失言を指摘されると反論したくなる理由

 失言に対しては「我慢する」「受け流す」という人が多いと思いますが、失言であるということを認識してもらわないと、同じような発言を繰り返しやすくなります。

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