最強のコミュニケーション術

デキる人が使う「数字の心理学」 相手の感情を動かし、仕事の評価まで変える (2/2ページ)

藤田尚弓
藤田尚弓

部下を伸ばす「数字を使った対話」とは

 部下との対話にも数字を使うメリットがあります。

▼「順調」ってどのくらい?

 例として、進捗状況を確認するときを見てみましょう。

《数字を使わない例》

「先週お願いしたリスト作成だけど、進捗状況はどうなってる?」

「はい、順調です」

 「どうなっているか」という質問に関しては、いろんな答え方ができるので「順調です」「なんとかやれています」「だいたい予定どおりです」など曖昧な返事が返ってくることも多いでしょう。

 部下の感じる「順調」は上司の感じる「順調」と同じでしょうか。人によって感じ方は違うので、これでは進捗状況を正しく掴めないこともあります。曖昧な確認は、「部下が抱え込みをして苦しんでいるのを見逃してしまう」「せっかく進捗確認をしたのに納期に間に合わなかった」といったトラブルの原因になります。数字を意識した質問を見てみましょう。

《数字を意識した例》

「先週お願いしたリスト作成だけど、残りはあと何件?」

「251件です」

 部下が具体的に答えるような質問を投げかければ、進捗状況を確実に把握できます。数字で答えてもらえば、感じ方に違いがある相手ともスムーズに情報を共有することができるのです。スケジュール的に厳しいようであれば他の人に手伝ってもらえるようにするなど、対策をとることもできます。

▼「なる早」という指示の曖昧さ

 指示をするときも、曖昧な伝え方は危険です。例えば「なる早で」と頼んだ仕事があがってくるのが遅かったとします。部下に対して「仕事が遅い」「軽んじられている」「ヤル気がない」といったネガティブな感情を抱きませんか?

 勝手に期待をした時間を基準に、遅いという印象を抱き、ジャッジしてしまうというのは、決して褒められることではありません。部下は超能力者ではありません。察することを求め過ぎるよりも、具体的な指示をしましょう。

《例》「火曜日の15時までに印刷しておいて」

 具体的に伝えることで、部下は期待どおりに動くことができるのです。

話ベタにも、話好きにも使ってほしい「3ポイント話法」

 「話を伝わりやすくしたい」「話上手になりたい」と思っている人には、ポイントを3つに整理して話す方法がオススメです。基本的で誰でも知っているのに、意外に実践できていない人が多いのが、この話し方です。

▼「3」を使うメリット

 一般的に知られているメリットとしては、以下が挙げられます。

  • ・論理的に聞こえる
  •  特に、若い男性や女性は、印象の面で損をしている部分を補う意味でも大事
  • ・記憶に残すのに無理のない分量を伝えることができる
  •  3つにまとめられない話には資料などをつけて補足するようにする
  • ・3を意識することで、話を整理しやすい
  •  話し過ぎてしまう人、脱線してしまう人の話も伝わりやすくなる

 これらのことは皆さん知っていると思いますが、あたりまえ過ぎて軽んじている人が多いように感じます。そんな人にご紹介したいのが、3という数字の「興味を惹く効果」です。

 3というのは印象にも残りやすい数字です。興味を惹くのにも適しているので、コラムのタイトルや書籍の目次などでも「○○のための3つの方法」といったタイトルがよく使われます。

 先に「3つの方法」と言われてしまうと、その3つとは何か、答えが気になるという人間の性質を活かした見出しのつけ方だと言えるでしょう。本などでは「5つの理由」「7つのステップ」など、5や7もよく使われますが、対面でのコミュニケーションでは把握できる量が大事ですので3だけ使うようにすればOKです。

 例えばプレゼンなどでは「××を導入するべき3つの理由」といったように、3を使って興味を惹くようにするとよいでしょう。

 今回ご紹介した数字を使った伝え方は、誰でも取り入れられるシンプルなものばかりです。まだやっていないものがあった人は、意識して取り入れてみてください。

藤田尚弓(ふじた・なおみ)
藤田尚弓(ふじた・なおみ) コミュニケーション研究家
株式会社アップウェブ代表取締役
企業のマニュアルやトレーニングプログラムの開発、テレビでの解説、コラム執筆など、コミュニケーション研究をベースにし幅広く活動。著書は「NOと言えないあなたの気くばり交渉術」(ダイヤモンド社)他多数。

最強のコミュニケーション術】は、コミュニケーション研究家の藤田尚弓さんが、様々なコミュニケーションの場面をテーマに、ビジネスシーンですぐに役立つ行動パターンや言い回しを心理学の理論も参考にしながらご紹介する連載コラムです。更新は原則毎月第1火曜日。アーカイブはこちら

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