トップは語る

ソニー銀行社長の南啓二さん(57)

 --6月に開業20周年を迎えた中で社長に就任した。今後の経営方針は

 「顧客に寄り添い、ニーズに応える企業文化を20年掛けて培ってきた。その成果が、いろいろな顧客満足度調査での高い評価につながっている。この企業文化を根付かせていく。顧客に寄り添うためテクノロジーの力を活用し、よりよい商品・サービスを提供していく」

 --そのためにソニーグループの経営資源をどう生かすのか

 「ソニーグループならではの資産と最新のテクノロジーを活用する。昨年12月、ソニーグループR&Dセンターが開発した『テレプレゼンスシステム』を活用したリモート相談を試験的に実施したが、低遅延伝送技術や超解像技術などを使うことで遠隔でも一緒の空間にいる感覚を味わえた。新型コロナウイルス禍でリアルの説明会開催が難しい中でも自然なコミュニケーションを取ることができたと好評で、本格導入を進める」

 --提供する金融商品は変わっていくのか

 「今までは住宅ローンや外貨預金、投資信託など単品で提供してきたが、これからは顧客一人一人のライフステージにあわせ、いろいろな商品をトータルで提供していく。そのためには顧客が判断するのに十分な情報を提供し選びやすくする必要がある。顧客が自ら選び、使って喜ぶことで、われわれの利益につながる」

 --業績は好調だ。その要因は

 「顧客目線を大事にする企業文化がわれわれの価値と考えている。ネット銀行はコスト勝負といわれるが、住宅ローンの利用者には顧客ごとに専任担当者を置いてフェイスツーフェイスで対応している。顧客に寄り添う姿勢は他社に負けない」

 みなみ・けいじ 早稲田大学大学院理工学研究科修了。平成2年三和銀行(現三菱UFJ銀行)入社。ヤフーを経て22年ソニー銀行入社、23年スマートリンクネットワーク(現ソニーペイメントサービス)取締役、31年ソニー銀行執行役員、令和2年執行役員常務、3年6月から現職。徳島県出身。

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