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「成長できる職場がいい」そう言ってコンサル業界に行きたがる東大生の“甘い本音” (1/5ページ)

 いまの若者は何を基準に職場を選んでいるのか。神戸学院大学の中野雅至教授は「最も重視しているのは『成長できるかどうか』。学歴社会から実力社会へのシフトがうかがえるが、その裏には、学校のように企業に成長経験を求めるという甘えもある」という--。

 ■日本の若者が企業のことを信じないワケ

 若者にとって「成長する」とは何を意味するのでしょうか。まず、はっきりさせておくべきことは、成長とは、たとえ労働条件に優れた大企業であったとしても、「意味のない」理不尽に耐えることではないということです。

 「意味のない」というのがポイントです。たとえ残業を伴う理不尽なものであったとしても、大企業が最後の最後まで雇用を抱え込み、労働者を裏切らないと保証するのであれば、若者は意味のない理不尽さにも耐えると思います。そういうところは強かで計算もできます。

 ただ、こんな大企業は皆無に近いでしょう。役立たないと思われると捨てられるし、何の保証もなく過労死寸前まで働かされる。若者はそんなことは百も承知です。

 若者が企業を信じ切れないと思っているのは、これだけが理由ではありません。最大の理由は、採用から出世まで人事の基準が極めて不透明なことです。

 リンクトインが世界22カ国を対象とした「仕事で実現したい機会に対する意識調査(Opportunity Index 2020)」という調査があります。ここでは、「人生で成功するためには、何が重要だと思いますか?」という問いに対し、日本も世界同様に「一生懸命働くこと」が最上位でした。

 ただ、2番目以降の回答が日本とその他の国では違います。諸外国は「変化を喜んで許容すること」「ふさわしい人々とのつながりやネットワーク」と続くのに対し、唯一日本のみが「幸運」が重要であると回答しているのです。

 ■年功序列の会社で出世するためには「運」が必要

 年功序列で流動性が低い労働市場では、結局、社内での出世も決め手がないということです。従来から言われ続けてきたことで、何が仕事の成果かを測れないため、最終学歴と「あいつはできる」という評判が大きくモノを言うし、たまたま大きな仕事に当たって成功した人間、社長などの役員受けのする仕事に巡り合った人間などが出世していきます。

 能力を測る物差しがないので、結局、こういう曖昧な基準で会社人生が決まる。若者、中高年を問わず、サラリーマンならみんなこういうことをわかっているからこそ「運」という答えを選ぶのです。

 これら三つのことから「成長」の意味するところをひもとくと、それは専門能力を身につけることです。企業からクビを切られそうになっても、次の会社に移っていけるだけの専門能力を積み上げることが成長だと思っているのです。 

 日本生産性本部が新入社員に対して行った調査によると、「自分のキャリアプランに反する仕事を、我慢して続けるのは無意味だ」の質問に対して「そう思う」と回答した者の割合が6年連続増加しており、過去最高を記録しているのです。

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