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あなたの会社は「社2」対策できてる? 元トヨタ管理職員に学ぶ若手フォローの極意 (1/2ページ)

常見陽平
常見陽平

 今日ではコロナと若者の間に「2年目問題」が浮上している。学校や企業で「2年目」の学生・社員を如何にしてフォローするか、ということである。

コロナで一変した“節目”の行事

 「社2」という言葉がある。社会人2年目という意味である。「中2病」「高2病」「大2病」同様、「社2病」という言葉もあった。学校、企業において2年目になると自意識が過剰になることで無駄に熱くなったり、何か反抗してみたり、自己主張を始めた結果、空回りをしたりする様子を表現したものだ。もちろん、医学的な病名ではない。ただ今年、本来は「生意気盛り」であるはずの2年目に、そんな余裕がないという現実もある。

 新型コロナウイルス・ショックが起こったのは、2020年の春、ちょうど期の変わり目だった。コロナによって卒業式、入学式、入社式、新人研修などが混乱した。別にこれは青春の思い出づくりのためのものではなく、大事な節目である。特に入学・入社時にいきなりオンライン前提となり、学内や社内の仲間づくりができないまま、突然放り出されたのだ。

 今年の1年目もまた、2019年までのような生活を送れているわけではない。ただ、2年目に比べると、コロナに対応した生き方や学び方、働き方を覚悟せざるを得なかったし、組織としての対応もできている方だ。これは、90年代前半から00年代半ばにかけて就職氷河期を経験した世代と、その後のリーマンショック、新型コロナウイルス・ショックの影響を受けた世代の違いにも通じるものがある。どの世代も気の毒だが、とはいえ、徐々に対策が充実していった。最初にショックに直面した代は、苦労の感じ方が異なる。

若手フォローにあの手この手も…

 そんな中、大手企業勤務の20代後半女性から相談があった。若手社員のことが心配でしょうがないという。せっかく入社したのに、新人研修もオンライン中心。歓迎会もなければ、普段の“飲みニケーション”も皆無。仕事を覚えるのにも苦労する上、いつまでたっても職場に馴染めていないのではないか? 若手社員に限らず、社員同士のコミュニケーションが薄くなっていないか? そんな危機感を抱いていた。

 実は若手社員をどのようにフォローするかは、コロナ前から問題となっていた。上司・先輩もふくめて働き方や育て方のルールが変化しているのだ。時代の移り変わりが加速する中、ジェネレーションギャップも深刻さを増し、同じ20代でも1歳違うだけで見てきた社会は異なる。コロナで飲み会なども壊滅的に減ってしまった。とはいえ、コロナ前から飲みニケーションは必ずしも歓迎されなくなっていたが。

 オンライン時代の交流手法として、オンライン飲み会、通称「オン飲み」に注目が集まっていた。もっとも、よほど幹事が上手でない限り、盛り上がらない。普通の飲み会以上に緊張し、疲れてしまい、会話が盛り上がるというわけでもない。

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