社長を目指す方程式

「頼み上手・頼み下手」はココで決まる! 両者の特徴を徹底解説 (2/3ページ)

井上和幸
井上和幸

これでは通らない…「ダメな頼み方」

 では一方で、なかなか受け入れてもらえない頼み方とはどのようなものでしょう?

 コロンビア大学ビジネススクール・モチベーションサイエンスセンター副署長のハイディ・グラント(『やってのける』『だれもわかってくれない』著者)によれば、ダメな頼み方には「共感に頼りすぎる」「やたらと謝る」「言い訳をする」「頼み事のメリットを強調する」「その頼み事は些細なものだとアピールする」「借りがあることを思い出させる」などが挙げられるとのことです。1つずつ見ていきましょう。

○共感の“押し付け”は忌避される

 共感に頼ることは、先に見た内発的動機や返報性に働きかける部分があり、悪手ではありません。しかし、過ぎたるは及ばざるが如し。度がすぎると押し付けに感じられ、また過剰な共感(の押し付け)は偽善に感じられ忌避されます。ボランティアや動物愛護などで、あまりに急進的な活動をする団体をみると、逆に危険なものと感じて人々が遠ざかってしまうということが、この一例と言えそうです。

○謝るより「感謝」を伝える

 日本人には多く見られますが、頼み事をする際に、ひたすら謝る人がいます。これも本人の気持ちとは裏腹に、全くの逆効果。謝られることは、相手からしてよそよそしさを強調することになり、お互いの間に距離が生まれ、一体感が損なわれるのです。助けを求める際には謝るのではなく、感謝する。これが鉄則です。

○「言い訳」して得なし

 言い訳も、頼まれた人の気持ちを萎えさせ、助けることの充実感を損なうアクションになります。「普段はお願いしたりしないのだけど」「本当はこんな頼み事をしたいわけではないんだ」。こんなことを言いながら頼まれた側の気持ちを、少しでもイメージできれば、相手がどんな気分になるかすぐ分かることですよね。

○相手の気持ちの“誘導”はご法度

 「頼み事のメリットを強調する」「その頼み事は些細なものだとアピールする」「借りがあることを思い出させる」。これらに共通するのは、頼む人が、なんとか頼まれる側の人の気持ちを前向きなものにしようとするアクションだということです。「助けてくれると良いことがあるよ」「それほどの負荷はかからないよ」「あなたには貸しがあるよ」。これらのいずれも、良い頼み方で前述した「自発性・内発的動機」からのアクションとは真逆の方向になっていることが、お分かりいただけることと思います。

 どうでしょう、本人はなんとか助けてもらおうという気持ちの一心でやっていることですが、相手の気持ちは遠ざかるばかり。おそらく私たちの誰もが、これらのうちのいくつかを「やらかしてしまった」経験を持っていると思います。ここで理屈を理解し、落とし穴から逃げましょう。

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