複雑すぎる1000形…新型車両の目印は“-”
ここからは少し専門的な話になるが、今年春から運行を始める新型車両の1000形は「1800番台」に区分される車両で、先頭車前面の貫通扉が車体中央に寄せられ、貫通路として使用できるようになった仕様。1800番台は2015年から存在しているが、今回から車両番号の付け方が変わり、通し番号から「ハイフン式」になったという。「1891-1」「1891-4」「1892-1」といった具合に、車両番号にハイフンが入っている。
ハイフンが付いたのには、理由があった。担当者はこう説明する。
当社にはもともと(1959年に登場した初代)1000形がありました。今の1000形は2代目で、登場当初は『新1000形』と呼ばれていました。旧1000形と同じ番号がかぶってしまってはいけませんので、旧1000形が廃車になると、廃車で空いた番号に新1000形の番号を振っていました。
当社では1000形のほかに1500形もあり、(1000形では)車両番号に1500台、1600台、1700台、1900台が使えません。相互乗り入れしている鉄道会社で番号の割り当てが決まっていて、乗り入れ先の京成電鉄さんや都営地下鉄さんなどが運行している(車両の形式と重複する)3000台、4000台などの番号も使えません。通し番号では使える番号がなくなってしまいますので、ハイフン式としたのです。
なかなかに複雑で、車両番号の世界は奥が深い。素人には理解の及ばない領域だが、1000形のバージョンが増えたため、車両形式を示す「1000」台の数字で区分することが難しくなっている、ということか。
新型車両は4両編成なので、各車両番号のハイフンの後に1から4いずれかの数字が続く。京急で車両形式にハイフンが入るのは1994年に登場した600形(3代目)以来という。
特徴的な座席なので一目瞭然だろうが、車両番号が1891か1892で、ハイフンの後に1~4の数字が振ってあれば、それは紛うことなき新型。トイレも展望席もあって、座席も広い。春以降、京急線でめぐりあえたら、「今日は運がいいな」とちょっぴり幸せな気分になれる車両かもしれない。
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