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【聞きたい。】井原忠政さん 『羆(くま)撃ちのサムライ』 クマとの対決、エンタメに昇華

舞台は明治初期。旧江戸幕府軍と新政府軍による函館戦争に敗れ、罪の意識を背負う主人公が、ヒグマとの闘いを経て自己を取り戻す過程を描いた。平成29年に発売された作品を改題し、7月に文庫化。漫画化も決定している。

著書「羆撃ちのサムライ」について語る作家の井原忠政さん
著書「羆撃ちのサムライ」について語る作家の井原忠政さん

「私はエンターテインメント作品を書いているので、雄大な自然とそれに抱かれて、巨大な動物と人間が知恵と勇気で対決するという物語を提示したかった」と語る。

ヒグマを選んだのも娯楽性を重視し、「日本で一番大きい肉食獣であるヒグマにしたかった」から。そこから時代や舞台を考え、物語を構築した。

作品では、主人公がクマとの死闘を通じて再生していく。いわばクマは人間にとって畏敬すべき存在となっているが、現代社会ではクマと人間の衝突が頻発して社会問題化している。

「この時代では人間も貧弱な鉄砲しか持っていないので、食物連鎖のトップを人間とクマが争っているという時代の話です。今は遠くから狙って頭を撃ち抜けるのだから、対立しているというけど一方的です」

いろいろな制約がある時代だったゆえ、人と巨大動物との対決はエンタメ作品として昇華したのだろう。

戦国時代を舞台に、徳川家に仕える足軽の戦いを描いた「三河雑兵心得」シリーズは快調に巻を重ねている。令和2年2月に発売されたのを機に、徳川四天王(酒井忠次、榊原康政、本多忠勝、井伊直政)から1字ずつを取って、現在のペンネームに改名。「これだけだからと思っていたら、これだけじゃ済まなくなってしまった」と笑う。

代表作となった同作では、家康が大坂夏の陣で豊臣家を滅ぼし、天下を取るまでの時代を描く予定だ。「大河小説のつもりで書いています」と構想を膨らませている。(河出文庫・913円)

森本昌彦

【プロフィル】井原忠政

いはら・ただまさ 神奈川県在住。脚本家として映画「鴨川ホルモー」などを担当。令和2年に現在のペンネームに替えて発表した「三河雑兵心得 足軽仁義」(双葉文庫)が人気を集め、「三河雑兵心得 砦番仁義」までシリーズ5巻を発行している。


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