夏休みに入ってすぐ、子供たちを連れ、私の実家に行ったときのことである。
「ゆう子、この暑さで義母(かあ)ちゃん(68歳)まいっているぞ。心配だ。クーラー買ってやろう」と夫が言った。
この申し出にすぐ購入したが、当時教員6年目の夫の夏のボーナスは11万円。6畳用クーラーは13万円と高額で、どれだけ夫に感謝したことか。
後日、母から「快適で畑仕事後の昼寝も夜も涼しい中で眠れ、元気な体に戻れたよ。高価な物をありがとう」との便りに、夫と親孝行できたねと喜んだものである。
先日、大事に保管している母からの便り37通を読み返した。昭和46~50年までだが、現金封筒も4通あった。
それは、クーラーのお礼として自分の恩給(年金)から送ってくれたものである。また、帰省する度、私と子らへ小遣いという名目で随分くれた。だから、クーラー代以上はもらってしまったと思う。
その後、母が亡くなり、兄と甥で同じ敷地内に家を建てたので、私が生まれ育ったその家は空き家のままずっと建っていた。
だが、姪孫(てっそん=甥の子)が家を建てるため、その家を取り壊すことになった。その前に甥が私の大切な思い出の場所だからと、家の全景などを写した写真を数枚送ってくれた。
その中には、2階に母のために取り付けたクーラーの室外機が写っているのもあった。
滑川ゆう子 74 茨城県北茨城市






























