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入院制限「撤回要求」で批判を火消し 自民、衆院選控え危機感

自民党が4日、政府に新型コロナウイルス感染症の一部中等症患者は自宅療養を基本とする方針の撤回を求めた背景には、衆院選を間近に控え、政府与党への批判を早期に鎮めたい思いがにじむ。ただ、酒の提供を続ける飲食店をめぐる方針を撤回した経緯もあり、朝令暮改と映れば菅義偉(すが・よしひで)首相の指導力に疑問符が付きかねない。

新型コロナウイルス感染症対策の進捗に関する関係閣僚会議で発言する菅義偉首相=4日午後、首相官邸(春名中撮影)
新型コロナウイルス感染症対策の進捗に関する関係閣僚会議で発言する菅義偉首相=4日午後、首相官邸(春名中撮影)

「党としては受け入れられない。撤回をお願いした」

自民の新型コロナ感染症対策本部とワクチン対策プロジェクトチーム(PT)の合同会議終了後、ワクチンPTの古川俊治事務局長は記者団にこう明言した。会合では出席議員から「事前に党に相談がなかった」「自治体から怒られた」などと反対意見が相次いだ。

連立与党の公明党も高木美智代氏が4日の衆院厚生労働委員会で撤回も含めて検討するよう主張した。

対策本部長を務める下村博文政調会長は4日夜のBSフジ番組で「撤回というよりは見直し、文章の書き換えだ」とトーンダウンしたが、政府与党の混乱を印象付けた。

関係者によると、首相は4日、下村氏と官邸で面会した際に「中等症の人を入院させないというわけではない。マスコミが取り上げているだけで、方針転換ではない」と説明した。

政府は感染拡大地域の医療提供体制を守るため、必要な体制を整える趣旨だとしているが、現時点での全国一律の方針と受け止められ、不安が広がった。下村氏はBSフジ番組で「誤解されやすいような文章を最初から書くな」と政府を批判した。

野党は政府の方針に一斉に反発し、攻勢を強めている。立民の長妻昭氏は4日の衆院厚生労働委員会で「宿泊施設を確保して、大臣や首相が土下座してでも医療関係者にお願いし、宿泊医療を拡充してほしい」と求めた。同党の早稲田夕季氏は「自宅放置になる」と述べ、共産の宮本徹氏は「自宅で亡くなる人が相次ぐのではないか」と政府を追及した。

自民のベテラン議員は「政府の情報発信が下手すぎる。衆院選はますます厳しくなる」とため息をついた。


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