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ワクチン不足で遅れる職場接種 規模縮小やキャンセル料発生も

新型コロナウイルスワクチンの職場接種が、ワクチンの供給不足で停滞ぎみだ。政府の要請などを受け、接種対象を自社だけでなく取引先や地域の中小企業などに広げた企業も多かったが、規模縮小を検討せざるを得ない状況も生じている。計画の後ずれで、会場や医師のキャンセル料などが発生しているケースも出ており、対応が求められそうだ。

日本航空(JAL)のワクチン職場接種で実際に使用される、モデルナ製ワクチンが入った注射器=6月14日午後、羽田空港(川口良介撮影)
日本航空(JAL)のワクチン職場接種で実際に使用される、モデルナ製ワクチンが入った注射器=6月14日午後、羽田空港(川口良介撮影)

「このままだと接種対象を減らさなければいけない可能性もある」。日本IBMの担当者はそう打ち明ける。従業員など約5400人を対象に7月17日から接種を始める計画で申請を行ったが、8月に入ってもワクチンは送られてきていないという。

今後の供給の見通しについての連絡もなく、秋以降にはインフルエンザワクチンの接種も行う必要がある。このまま接種が後ずれすれば、ワクチンの打ち手の確保が難しくなり、計画を縮小しなければならない可能性があるのだという。

職場接種は6月8日に申請の受け付けが始まったが、政府の想定を超える申請が集まったため25日に受け付けを一旦休止。現在も再開できていない。それどころか、IBMのように、既に申請を済ませた企業にも、まだワクチンが届けられていない現状がある。

厚生労働省によると、これまでに5202会場から申請があったが、8月1日時点でワクチン接種を実施したと報告があったのは2299会場と半分にも満たない。海外の製造拠点で検査工程に問題が生じるなど、職場接種で使うモデルナ製ワクチンの供給が滞っているためだ。

関西経済同友会も会員企業向けの合同接種を計画したが、ワクチン不足から一度も実施できないまま6月29日には計画の一時中止を決定。現在も実施のめどは立っていないといい、問い合わせがあった場合は「自治体向けの接種への参加を促している」(担当者)という。

アキュラホームも1400人の従業員だけでなく、取引先の中小企業や工務店に接種対象を広げるため、当初は3万人規模での実施を計画していたが、ワクチン不足から計画を1万3千人規模に縮小した。東京、大阪、名古屋の3会場で接種を行い、東京は既に2回の接種を完了。しかし、名古屋は21日から1回目がようやく始められる段階で、地域差も生じている。

健康保険組合連合会が、7月に全国約1400の健保組合に職場接種の実施状況を調査したところ、215組合が接種を開始し、142組合がワクチンの配送を待っている状況だった。

計画の後ずれで、6組合で会場や医師のキャンセル料が発生するといった実態も確認できたという。キャンセル料は計約4千万円にのぼり、政府にワクチンの早期の安定供給とキャンセル料などへの財政支援の要望も行ったという。

政府は先行する企業の2回目の接種が終了することから、今月中旬以降に待機中の企業への供給も増やせるとするが、全ての企業に行き渡る時期は未定で、需要に追いつくにはまだ時間がかかりそうだ。


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