ビールに合う夏の定番のおつまみといえば、枝豆を思い浮かべる人は多いだろう。千葉県は、枝豆の令和元年の産出額が山形県(48億円)に次いで、全国2位(41億円)となっている。県内の主な生産地は、野田市(全国有数の産出額)を含む東葛地域や君津市、鴨川市など。
枝豆は、「取りに行くときは、鍋を火にかけてから畑に行け」といわれるほど鮮度が重要だ。本県は大消費地である東京圏に位置しており、枝豆を鮮度の良い状態で出荷できる優位性がある。
もっとも、県内の産出額はこの4年間で約2割減少している。その原因は、台湾やタイなど東南アジアからの輸入品(冷凍枝豆)などとの競合激化と生産農家の高齢化・後継者難にあり、国内の枝豆生産を維持・発展させるには、ブランド力の強化が急務となっている。
全国トップの山形県では、1980年代後半から庄内地方を中心にブランド化に取り組み、成果を挙げてきた。生産者組織において種子を一元管理し、土壌・栽培・包装などの共同研究、地元JAなどを巻き込んだ保冷設備の整備など品質向上策に取り組むと同時に、「だだちゃ豆」(庄内地方)、「ハッピー枝豆」(村山地方)、「上杉まめ」(置賜地方)など、特色あるネーミングで消費者をひきつけてきた。アイスクリームやプリンなど加工品の開発を積極的に行ったことも知名度上昇につながった。
県内でもブランド化の取り組みは始まっている。船橋市では、「JAちば東葛西船橋枝豆研究会」が立ち上がり、「葉付き枝豆」のブランド力強化に力をいれている。生産者の多くが「エコファーマー」の認定を受けているなど、減化学肥料・減農薬に注力しており、「環境にやさしい」枝豆で差別化を図っている。君津市では、在来種「小糸在来®」の収穫体験ができるオーナー制度を導入。子どもの農業体験としても人気があり、家族で来るオーナー希望者も多いため、知名度向上のほか、交流人口の増加にも一役買っている。こうした取り組みが各地で広がれば、県産枝豆のブランド力が上がり、単価も上昇するはずだ。
梅雨明け後に迎える本格的な夏場は、ビールと枝豆の晩酌で乗り切りたい。(ちばぎん総研研究員 水野誠之)































