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【オリパラ奮闘記】もっとも変化をもたらした大会

異例の無観客での開催となった東京五輪が閉幕しました。日本代表チームは過去最多のメダルを獲得し、盛り上がりました。出場した国内外のすべてのアスリートたちは、競技に向き合う立ち居振る舞いなどを通じて、五輪の3つの価値である「卓越性」「友情」「敬意・尊重」を体現し、すばらしい物語を見せてくれたと思います。

各国国旗が入場した東京五輪の閉会式=8日、国立競技場
各国国旗が入場した東京五輪の閉会式=8日、国立競技場

開会式と閉会式は単身赴任先の自室で1人で視聴しました。これまでの準備で何度も困難な状況に直面しました。乗り越える際のモチベーション(動機づけ)は、開会式で聖火がともる瞬間に、苦労が報われた先のやり切った気持ちでいる自分の姿を想像することでした。しかし、これだけいろいろあったにも関わらず、正直あまり感動はありませんでした。何か不思議とこみ上げてくるものがなかった。そんな印象です。

東京大会の招致活動に携わり始めたころ、いろいろな五輪に関わる書籍に目を通しました。その中に強く印象に残ったものがありました。1980年代以降の開会式での国際オリンピック委員会(IOC)会長のスピーチで「この大会はこれまでにない、至上もっともイノベーティブ(革新的)な大会になる…」というフレーズが使われていることです。

その後、このフレーズは自分の中で一種のスローガンのようになりました。東京大会のスポンサーになってから、全国の事業所に参画の意義を説明して回りました。そこでも「東京大会をきっかけに至上もっともイノベーティブな製品・サービスを提供すべく、チャレンジしていきましょう」と鼓舞しました。

いま思い返すと、そこでイメージしていたイノベーティブとは、「より速く、より高く、より強く」といった事業の拡大や規模感を強く連想するものでした。しかし、その考え方は少し違っていたのかもしれないと感じています。

きっとこの大会は将来的に、「至上もっとも変化をもたらした大会」として語り継がれていくのではないかと思います。そしてその「変化をもたらした」という事実でもって、ある意味「至上もっともイノベーティブな大会である」といえるのかもしれません。(君原嘉朗=アシックス2020東京オリンピック・パラリンピック室室長)

きみはら・よしろう 昭和46年6月10日生まれ、福岡県出身。平成6年にアシックスに入社し、27年から現職。開会式と閉会式ではこみ上げてくるものはありませんでしたが、試合を通したアスリートたちの高潔な人柄には何度も涙しました。やっぱりスポーツってすばらしいですね。


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