韓国では猛暑のことを「ポギョム(暴炎)」という。暑さにうだったそんなソウルの夏も東京五輪閉幕とともに立秋(7日)を迎え、暑気の名残の「マルボク(10日)」も過ぎて秋の気配だ。五輪の熱気でしばし癒やされていたコロナ禍も、ここにきて韓国でも毎日の感染者が2千人前後に急増。官民挙げて対応に追われている。
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ところで韓国にとって〝癒やしの五輪〟のフィナーレは女子バレーボール選手団の凱旋(がいせん)帰国だった。メダルを逸し4位だったもののその健闘ぶりは国民を沸かせ、彼女らはメディアの「メダルは取れなくてもよくがんばった!」キャンペーンによって〝英雄〟となった。1964年の東京五輪を取材している筆者の記憶でいえば、あの時、回転レシーブで金メダルに輝いた日本女子バレーボールのミニ韓国版である。
そんな〝ノーメダル英雄〟も多く誕生し、国民に癒やしをもたらした東京五輪だったが、テレビの中継放送は今回、結構、批判を浴びた。他国への揶揄(やゆ)や非難など国際的マナーの欠如が目立ったからだが、一方でその反日ぶりには反省や自己批判は見当たらない。閉会式の中継でもKBSテレビは「平和の祭典」にかこつけ「日本は平和憲法を守るべきだ」といっていた。この〝反日病〟はいつまで続くのやら。(黒田勝弘)