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トルコ、アフガン難民流入を懸念 空港警備も見直し

【カイロ=佐藤貴生】アフガニスタンでイスラム原理主義勢力タリバンが実権を掌握したのを受け、トルコがアフガンからの難民流入に神経をとがらせている。トルコはすでに、内戦下のシリアなどからきた約370万人の難民を抱える「世界最大の難民受け入れ国」(国連)。新型コロナウイルスの感染拡大によって経済低迷が長引く中、国内では難民への風当たりが強まっており、エルドアン大統領は政権を揺さぶる要因になりかねないとして対応に躍起になっている。

16日、アフガニスタンの首都カブールで、空港に急ぎ足で向かう人たち(ロイター)
16日、アフガニスタンの首都カブールで、空港に急ぎ足で向かう人たち(ロイター)

トルコのアカル国防相は15日、イランと国境を接する南東部を訪れ、難民流入を防ぐ壁の建設状況を視察した。トルコのメディアによると壁は全長約300キロの予定だ。アカル氏は、夜間も暗視スコープなども使い、流入阻止に全力を挙げる姿勢を強調した。

トルコはアフガンと国境を接していないが、イラン経由の難民流入を警戒している。トルコ内務省は7月中旬、イラン国境周辺でアフガン人を中心に1500人近くの不法移民を発見、逮捕。米メディアは今月中旬、トルコ当局者がイランを「アフガン難民をトルコ側国境に送っている」として非難したと報じた。

トルコ国内に約12万人いるとされるアフガン難民のさらなる流入をトルコが恐れるのは、「安い給料でも働く難民に仕事が奪われる」として国民の反発が強まっているからだ。ロイター通信によると首都アンカラでは今月上旬、トルコとシリアの若者が衝突して1人が死亡し、シリア人の店舗や家が襲撃される事態に発展。多数の難民が身の危険を感じ、トルコの人権団体に相談しているという。

在トルコの男性記者(55)は「エルドアン氏がトルコ民族主義を鼓舞したことが、難民への攻撃が起きる要因になっている」とし、同氏の政策が招いた結果との見方を示した。

また、エルドアン政権は米軍のアフガン撤収後、カブールの国際空港の運営・警備を行うとして米政府と協議してきたが、タリバンは米軍以外の外国軍の撤収も求めており、計画は修正を迫られそうだ。同空港はタリバンが予想を上回る速さで実権を掌握したことで、国外脱出を求めるアフガン市民が殺到。大きな混乱に陥っている。

エルドアン政権には、空港の運営・警備を人権問題などでぎくしゃくするバイデン米政権との関係改善の足掛かりにする思惑があるが、タリバンに振り回される形となっている。


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