「どんな本、読んだらいいと思う?」
小学6年の息子が、夏休みの読書感想文の宿題を前に頭を悩ませていた。
洋服を買うときはネット通販を利用することもあるが、本は直接手にとって選びたい私。しかし大阪にまた緊急事態宣言が発出された今、大型書店に行ってあれこれ時間をかけて吟味するのも難しい状況だ。
そこで私の本棚から息子に好きな本を選ばせてみることにした。
本棚には結婚するときに実家から厳選して持ってきた学生時代の愛読書から今に至るまで、私の好みが詰まっている。
ゆえにわが子とはいえ、ラインアップをじっくりと見られるのは恥ずかしい気もする。
何冊か手にとって息子が最終的に選んだのは『いつやるか?今でしょ!』だった。カリスマ予備校講師の林修先生の著書だ。
学校の図書館で羽生善治棋士やイチロー選手の自伝を借りて読んでいた息子らしい選書だと思った。
そこには「挨拶は誰にでも平等に」とか、孫子の兵法の言葉を引用した「『勝ち易きに勝つ』道を選べ」など子供から大人まで役に立つ45の持論が展開されている。
2013年の流行語大賞に選ばれた「今でしょ!」は年月を経ても普遍的な言葉だと思う。先行き不透明な日々の中で出口を信じ「今」こそ頑張り時なのだと心を強く持ちたい。
「今の自分にできること」
息子は読書感想文にこんなタイトルをつけた。私も今の自分にできることを続けたい。
田中里江 46 大阪市鶴見区