ワクチン未接種者に「法的責任追及」と警告 中国地方政府で続々

    【北京=三塚聖平】中国で、新型コロナウイルスワクチンの未接種者に対して「法的な責任追及の対象になる」と警告する地方政府が相次いでいる。感染が拡大した地域では地元幹部が処分されることが多いため、強硬な対策を進めているとみられる。中国でも接種は強制されていないはずだが、当局による圧力が実質的に強まっている。

    中国医薬集団(シノファーム)製の新型コロナウイルスワクチン(ロイター=共同)
    中国医薬集団(シノファーム)製の新型コロナウイルスワクチン(ロイター=共同)

    内モンゴル自治区の区都フフホト市は25日までに、ワクチン未接種者が地下鉄やオフィス、医療機関、スーパー、ホテルなどに入ることを原則認めないとする通知を出した。その上で、アレルギー性疾患など身体的な理由で接種ができない人を除き、「未接種者が感染を引き起こした際には、法律や法規に照らして責任を追及する」と定めた。

    中国メディアによると、8月中旬だけでも江西省南昌市、安徽省合肥市、遼寧省丹東市などの当局が「法的責任追及」を警告する通知を発表している。

    中国の衛生当局は接種に関して「同意、自発」といった原則を掲げ、強制しないと表明してきた。中国のソーシャルメディア上では「自発を強調しながら、どうして悪知恵を働かせているのか」といった批判が目立つ。中国紙、新京報(電子版)も18日、地方政府の「強制や半強制的な接種推進のやり方」について「社会的な疑義を引き起こすだけでなく、行き過ぎの是正を求められる」と戒めた。

    中国のワクチン接種は24日までに累計19億7573万回。13日には接種完了者が7億7700万人を上回ったと発表し、人口(約14億1178万人、昨年時点)の半数を上回った。ただ、感染力が強いインド由来の変異株(デルタ株)の拡大を受けて防疫対策の強化が指示されており、地方政府はその柱となるワクチン接種推進を求められているようだ。

    デルタ株の感染が広がった7月下旬以降、感染対策に力を尽くさなかったなどとして処分された地方政府幹部は約100人に及ぶ。綱紀粛正を図る狙いとみられるが、処分を恐れる地方政府が強硬な対策を進めている可能性がある。


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