仕事や家事に追われた一日の終わりには、ほっと一息つきたいもの。ご褒美の一杯で気持ちをほぐして、よく頑張った自分に「お疲れさま」と言ってあげたい。そんな時、外で飲むことが難しい今だからこそ、本を読んでほろ酔い気分を味わうのはいかがでしょうか。
本書は、今注目の作家5人が「お酒」をテーマに執筆した短編小説のアンソロジーです。各話を、著者とテーマのお酒とともにご紹介します。
伯母の旧友に会っためいは、憧れだった伯母の思わぬ秘密を知る(織守きょうや×洋酒入り菓子)。独身のキャリアウーマンが夢中になる、家でのひそかな楽しみとは(坂井希久子×果実酒)。実家の酒蔵を継ぐことに悩む一人娘が、ライバル酒蔵の跡取りに将来への不安を打ち明けると…(額賀澪×日本酒)。酒の飲み方が原因で夫に離婚を切り出された妻は、ある計画をする(原田ひ香×食中酒)。コロナ禍で苦境のバーテンダーが依頼されたのは、保育園の保護者たちが集うオンライン飲み会での接客だった(柚木麻子×カクテル)。
思わず手を伸ばしたくなる美味(おい)しそうなお酒の描写と、はっと胸をつかれる人間ドラマが、この一冊に詰まっています。
お酒と一緒にたしなむもよし、文章に酔いしれるもよし。大変な日もあるからこそ、気持ちをリセットして明日へ向かおうとするあなたに楽しんでいただけたらうれしいです。心を潤す短編集、ぜひご賞味ください。
(双葉社文芸出版部 田中沙弥)































