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韓国101歳哲学者、金亨錫氏インタビュー詳報「習体制である限り香港は不毛の地に」

北朝鮮・平壌出身で金日成(キム・イルソン)主席と面会したこともある韓国の101歳の哲学者、金亨錫(ヒョンソク)延世(ヨンセ)大名誉教授は、産経新聞とのインタビューで、北朝鮮や中国の共産主義体制の限界について語った。主なやり取りは以下の通り。(聞き手 桜井紀雄)

インタービューに応じる金亨錫・延世大名誉教授=7月、ソウル(桜井紀雄撮影)
インタービューに応じる金亨錫・延世大名誉教授=7月、ソウル(桜井紀雄撮影)

--現在の韓国側に渡ることになったのは

「北朝鮮では党の考えに沿わない者は排除された。自由な思想を持つ者は南に来るしかなかった。私もその一人だ。経済界の指導者らも皆、南に来た。韓国が早く発展した理由の一つはそこにある」

「(日本統治からの)解放後、日本人についても、韓国では国連軍に保護され、無事帰国できたが、北朝鮮で日本人は共産党(現朝鮮労働党)からまともな待遇を受けられなかった」

--北朝鮮で解放直後の日本人は

「収容所に入れられた日本人は寒さと飢えから冬を越せずに多く亡くなった。ソ連軍はトラックで日本人女性らを連れ去った。いくら戦争に勝ったと言っても許されることではない」

--韓国に亡命した北朝鮮最高位の高官、黄長燁(ファン・ジャンヨブ)元朝鮮労働党書記とも1997年の亡命後に会った

「なぜ命がけで韓国に来られたのかと尋ねた。黄氏は『北朝鮮は韓米同盟がなくなれば、いつでも戦争する。戦争を防がなければならない。北朝鮮で食糧難がどれほどひどく、同胞が飢えているのか知られていない。それを伝えるために来た』と説明された」

「黄氏は『北朝鮮で自分の人生を生きられなかった』ともおっしゃった」

--北朝鮮で学問を続けようとはしなかったのか

「平壌でも当初、教育に携わろうとしたが、結局、離れるほかなかった。共産主義が入ってきた社会では、党の考えが全てに優先され、(哲学を含む)人文学や思想、文化が衰える」

「中国もそうだ。中国思想を研究するドイツ人に『中国思想を学ぶなら台湾に行くべきだ、それより日本に行くのがいい』と勧めた。ギリシャ哲学を学びにギリシャではなく、ドイツや英国に行くのと同じだ」

--共産主義体制の弊害は

「人より少し長く生きてきた経験からみると、自由がなくなれば、創造力がなくなる。創造力の源泉は自由だ。自由を保証しなければ、国民に希望はない」

--中国の習近平体制は今、香港で自由や民主主義を抑圧している

「私がいた当時の平壌はキリスト教徒や自由思想を持つ者も多かったが、体制側の弾圧で精神的リーダーを失い、残った人々は(共産主義体制に)同化していった。今の香港もリーダーがいなくなれば、共産党体制に同化してしまうのではないか。共産党はリーダーがいられなくさせている」

「中国が習近平体制である限り、香港は不毛の地になる」

--韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権と対立し、大統領選への出馬を表明した尹錫悦(ユン・ソンヨル)前検事総長とも会った

「尹氏は文政権が圧力をかけなければ、(政治家として)現れ得なかった。文政権がつくり出した人物。本人も当初、政界に出る考えはなく、国民の盛り上がりに慌てたのではないか。多くの国民が推したからには責任をとらないと。大統領になるかどうかより、韓国の指導者を目指す人間はこう生きるべきだとの模範を示してほしいと思う」

--100歳を超えても健康でいる秘訣(ひけつ)は

「子供のころは体が弱かった。健康に気をつけて生きてきたというより、誰より仕事に打ち込んでいるうちに、気づくと、私が一番健康だった(笑)」

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