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マンション業界、テレワークに着目 ミサワは1階に空間整備 「第3の場」へ関心

マンション業界で、新型コロナウイルス禍で普及した「テレワーク」の機能を充実させる動きが活発化している。ミサワホームは、東京都内の古い賃貸マンションの1階部分にテレワークに対応した空間を整備。三井不動産レジデンシャル(東京都中央区)は川崎市に居住者などが幅広く使える共用施設を試行的に開設した。テレワーク利用を意識した間取りを導入した新築物件も登場している。テレワークが働き方の新たな選択肢となる中、居住者の満足度向上につなげる狙いだ。

ミサワホームは築32年の賃貸マンションの1階部分にテレワークに対応した空間を整備した=東京都文京区(森田晶宏撮影)
ミサワホームは築32年の賃貸マンションの1階部分にテレワークに対応した空間を整備した=東京都文京区(森田晶宏撮影)

東京メトロ有楽町線の江戸川橋駅(東京都文京区)に近い住宅地に建つ、築32年の鉄骨鉄筋コンクリート造り8階建ての賃貸マンション。ミサワホームは昨年、不動産投資の一環でこの物件を手に入れ、退去した1階部分の食品スーパーの後継テナントとして、入居者や近隣住民らが有料で利用できるスペースを運営する業者を新たに誘致した。

施設内にはテレワーク利用を想定したボックス型シートや個室があり、利用料金は入居者の場合、近隣住民らの半額になる。会議室やコピー機も別料金で使える。

ミサワホームは、築年数の古い物件を取得した後、改修などで資産価値向上を図り、入居率や賃料収入を引き上げた上で、第三者に売却して利益を上げるビジネスを手掛けており、今回もその一環。テレワーク空間の整備について、同社の橋本雅史課長は「(新型コロナを背景とする)働き方の多様化に焦点を当てた」と説明する。

在宅勤務やテレワークが浸透する半面、業務効率を高める観点から、このように自宅でも職場でもない「サードプレイス(第3の居場所)」への関心も高まっている。

三井不動産レジデンシャルは8月、自社が供給するマンションの居住者などが利用できるサードプレイスとして「イエチカBASE」をJR武蔵小杉駅(川崎市中原区)近くに試行的に開いた。

武蔵小杉には同社が手掛ける分譲マンションが多く、居住者向けサービスを強化する。同社が直接運営する施設で、完全個室席のほかにソファやボックス型シートの区域もあり、テレワークや勉強だけでなく読書や居住者同士の交流など、幅広いニーズを見込む。利用は有料。

マイナビ(東京都千代田区)が運営する「マイナビBiz」が7月に東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県に住む働く人たち700人を対象に行ったインターネット調査によると、サードプレイスを利用したいとの回答は全体の約75%を占めた。実際に利用している500人に聞くと、自宅や職場よりも仕事がはかどるとの答えも多かった。

一方、全戸数の一部に、あらかじめテレワーク機能のある間取りを導入した新築の賃貸マンションもある。オリックス傘下の大京(東京都渋谷区)は、7月末に完成し8月上旬に入居を始めた墨田区の物件で、全60戸のうち1LDKの7戸と1Kの5戸の計12戸にテレワーク利用を意識したスペースを取り入れた。壁面のレールに可動式のカウンターデスクや棚板を組み合わせれば、テレワークを行える。

大京は、テレワークに対応した間取りを導入した新築の賃貸マンションを台東区や中央区でも展開。担当者は「在宅勤務を実施する企業が多い中、居住者にとって快適な作業空間の確保が課題となっている」とした上で、「物件の立地やターゲットを踏まえて、さらなる導入を検討していく」と話している。(森田晶宏)


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