【北京=三塚聖平】中国税関総署が7日発表した8月の貿易統計(ドル建て)によると、輸出は前年同月比25・6%増の2943億ドル(約32兆円)だった。伸び率は7月(19・3%)から拡大。新型コロナウイルス禍からの世界経済の回復に支えられたとみられ、米国、欧州、アジアなど主要貿易相手国・地域向けが好調だった。
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ただ、中国では7~8月に感染力が強いインド由来の変異株(デルタ株)の感染が広がり、各地で封鎖措置や移動制限が行われたため景気悪化が懸念される。デルタ株の感染拡大が米経済の足を引っ張り世界経済の回復シナリオにも影が差すとみられており、中国税関総署も先行きについては慎重な見方を示す。
輸入は33・1%増の2359億ドルで、伸び率は7月(28・1%)から拡大した。原材料価格の高止まりもあって高水準が続いており、鉄鉱石や石油は金額ベースで伸びが目立つ。輸出と輸入を合わせた輸出入総額は28・8%増だった。
1~8月では、輸出は前年同期比33・7%増、輸入は34・8%増だった。輸出入ともに米国、欧州連合(EU)、東南アジア諸国連合(ASEAN)向けなどの伸びが続いている。