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中国当局がエンタメ統制強化 アイドル育成番組規制や愛党芸能人起用求める

【北京=三塚聖平】中国当局がエンターテインメント業界への統制を強めている。アイドル育成番組や、芸能人などを熱狂的に応援する「推し活」を規制する通知を相次ぎ出し、中国共産党や国を愛している芸能人の起用も求めた。習近平政権は、体制引き締めのためIT業界など経済・社会の統制を強めてきたが、芸能分野にまで影響が波及している。

中国を代表するスター、趙薇さん(共同)
中国を代表するスター、趙薇さん(共同)
中国の人気俳優、鄭爽さん(共同)
中国の人気俳優、鄭爽さん(共同)

メディア管理を担当する国家ラジオテレビ総局は2日に出した通知で、「低俗で下品」なテレビ番組やインターネット動画を排除する方針を表明。ファンのグッズ購入をあおる行為やアイドル育成番組の放送を禁止したほか、「女っぽい男性などのいびつな美意識の根絶」を打ち出した。

また、出演者を選ぶ際には「党と国家から心が離れている人員は断固として使わない」ことを指示し、「中華の優秀な伝統文化や革命文化、社会主義の先進的文化を強力に発揚する」よう促した。

それに先立つ8月27日には国家インターネット情報弁公室が、アイドルなどのファンによるグループを意味する「飯圏」の管理強化に関する通知を発表。ネット上で流行している芸能人の人気ランキングの廃止や、芸能人らにネット上でお金を送る「投げ銭」を未成年が行うことを禁じた。中国では、芸能人の人気を競うランキング機能の流行により、多額を投じるといった過熱行為が社会問題化していた。

同弁公室は6月から「無秩序な飯圏」に対する取り締まりを強化。共産党機関紙、人民日報は8月中旬に掲載した論評で「非理性的な追っかけ行為や好ましくないファン文化は、正常な社会、経済、文化秩序を邪魔する。早急な管理と是正が待たれる」と指摘し、規制強化を求めている。

習政権は昨秋以降、中国ネット通販最大手のアリババ集団などへの締め付けを進める。中国社会への影響力を増したIT大手を警戒したためだ。これに続く形となったエンタメ業界への統制は、ネット上で芸能人のファン同士がつながって集団となることで、共産党統治を揺るがすような勢いを持つ可能性をあらかじめつぶす狙いも指摘される。

芸能人への圧力も増している。8月下旬に上海市の税務当局が女優の鄭爽(てい・そう)さんに、テレビドラマの出演料をめぐって脱税したとして追徴課税や滞納金を加えた罰金計2億9900万元(約51億円)の支払いを命じた。同時期には、有名女優の趙薇(ちょう・び=ヴィッキー・チャオ)さんの名前が、動画配信サービスで出演作品の役者名一覧から次々と削除された。理由は不明だが、趙さんが約20年前に旧日本軍を連想させる旭日旗をあしらった服を着たことが一因だという見方もある。


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