英首相、国民保険料引き上げ表明 コロナ対応、公約違反と批判も

    【ロンドン=板東和正】ジョンソン英首相は7日、日本の社会保険料に当たる「国民保険料」を来年4月から1・25%引き上げる増税計画を表明した。8日の英議会下院で計画を採決する。新型コロナウイルス対策などを充実させる方針だが、ジョンソン政権は2019年の総選挙で国民保険料を引き上げないと公約しており、公約違反との批判が高まる可能性がある。

    ジョンソン首相(ロイター)
    ジョンソン首相(ロイター)

    英政府は増税により、3年間で計約360億ポンド(約5兆4千億円)を確保する見通し。増税で確保した財源は新型コロナ対策のほか、コロナ禍の影響で治療を後回しにされた他の疾病患者らの対応に充てる。英メディアによると、英国の人口の大半を占めるイングランドでは500万人以上が診療待ちの状態になっているという。

    ただ、公約違反となる今回の増税計画は低所得者層に負担をかけることが予想され、国民の反発を招く恐れがある。

    ジョンソン氏は7日の記者会見で、計画が「公約を破る」行為だと認めた上で「新型コロナの大流行は誰の公約にもなかった」と指摘。公約の表明時は新型コロナの発生を予想できなかったとの認識を示した。


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