【ドレスデン=三井美奈】17世紀のオランダを代表する画家、ヨハネス・フェルメールの傑作「窓辺で手紙を読む女」の修復作業が完了し、ドイツのドレスデン国立古典絵画館で9日、記者会見が行われた。フェルメールが描き、別人によって塗りつぶされていたキューピッドの画中画がよみがえり、報道陣にお披露目された。
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復元された作品は来年1月22日に東京都美術館(東京・上野公園)で始まる「ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展」(東京都美術館、産経新聞社、フジテレビジョン主催)で日本で初公開され、国内を巡回する。7~9月には大阪市立美術館で展示される。
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記者会見で、ドレスデン古典絵画館のシュテファン・コーヤ館長は、1979年のⅩ線調査で、キューピッドを描いた画中画が隠れていることが判明したと説明。「上塗りの削除は、大きな挑戦だった。キューピッドは、『真の愛は忠実でなければならない』という意味が込められている。この絵が全く違うものになった」と話した。同館でオランダ絵画を担当するウタ・ナイトハルト学芸員は、「キューピッドが出てきたことで、女性が読んでいるのはラブレターだとはっきりした」と述べた。
この作品は1657~59年のものとみられている。当初、フェルメールが構成を変えるために塗りつぶしたと考えられていたが、絵の具の分析などで、死後に行われたことが分かった。