日本郵政がかんぽ生命保険の不正営業問題を受けて設置した有識者委員会「JP改革実行委員会」の12回目の会合が22日開かれ、昨年9月に郵政が信頼回復に向けて公表した5項目からなる「約束」について1年後の達成状況を報告した。信頼回復に肯定的な評価も出た一方で、この1年間で新たな不正営業問題などが発覚していることから「郵政全体のコンプライアンス(法令順守)状況は道半ば」と厳しい声が相次いだ。
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郵政が公表した「お客様の信頼回復に向けた約束」は「丁寧な対応」や「正確にわかり易く説明」、「法令を順守した高品質のサービス」など5項目からなる。
各項目の達成状況について顧客や社員、有識者委員が5項目各5点の合計25点で評価したところ、委員からは「顧客からの信頼回復にむけた郵政の取り組みは評価できる」として合計19・9点の高い評価を得た。
一方、投資信託の不適切な販売や郵便局内での犯罪も相次いでいることから郵政全体のコンプライアンス意識については厳しく評価。その原因について「社員の声に耳を傾けない風通しの悪い企業風土がある」と強調した。
野村修也委員(中央大学法科大学院教授)は「郵政が目指しているデジタル化などは競合のメガバンクも目指しており、郵政が勝ち残るためには郵便局の信頼できるブランド力が必要で不祥事は最悪だ」と指摘。郵政ブランドの信頼を元に戻さなくては社員の生活も仕事も成り立たなくなるという意識で、「社員全体でブランド回復に努めることが必要だ」と強調した。