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【装丁入魂】思い切って白をベースに 講談社ブルーバックス 芦澤泰偉さん

<科学をあなたのポケットに>というキャッチフレーズで昭和38年に創刊された講談社の科学新書「ブルーバックス」。難しいイメージの強い科学を半世紀以上にわたり、分かりやすく伝えてきたユニークなシリーズの巻数は、2180を超えている。本の「顔」である装丁も時代とともに変化を続け、独特の存在感を放っている。

『日本列島100万年史 大地に刻まれた壮大な物語』
『日本列島100万年史 大地に刻まれた壮大な物語』

通巻2000番となった平成29年1月発売の「日本列島100万年史 大地に刻まれた壮大な物語」。同書を機に、シリーズの表紙は大きく変化した。

左上にあったシリーズ名「BLUE BACKS」に付いていた分類を示す下向き三角のマークをなくし、デザインスペースを広げた。地色はグレーから白に変更。あえて際立つ種類の白を採用した。

4年から担当する装丁家、芦澤泰偉(たいい)さん(73)は経緯について「書店で文庫や新書が置かれているところは色であふれているので、思い切って白をベースにして作ってみようかなというのが話し合いで決まっていきました」と話す。

芦澤さんが関わり始めた当時にはなかった帯も含めた装丁になったのも、変化の一つ。ときにデザインを阻害することがあったため一体感を出した。

変更後の反応は上々という。ブルーバックスの篠木(ささき)和久編集長は、「書店さんの評価はおおむね良くて、『デザインが良くなったから、棚にきれいに並べたくなった』という反応がありました」と語る。

白を地色とした本を基本としながらも、本の種類によっては、大胆なレイアウトが行われている。全面に写真が使われたり、アイザック・ニュートンの「プリンシピア 自然哲学の数学的原理」(令和元年)では「古書の面影を出したかった」(芦澤さん)というデザインとなったりした。

あえて変えない部分もあった。背の上部にある火星人マークは位置も含めほぼ変わっていない。芦澤さんは「棚ざしの状態でこの火星人のマークさえ見ればブルーと分かる。ブルーが占めている書店の棚を大事にしています」と話す。

変化を続けながらも守るべき伝統は変えない。「ブルーバックスは講談社のフラッグシップ(象徴)の一つではないでしょうか」と語る芦澤さんは来年で担当してから30年。日本を代表する新書を装丁で支えている。


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