バッハを専門とする音楽学者が自らの「西洋音楽フィールドワーク」を記録したエッセー集だ。留学や学会などのため、半世紀で巡った都市は世界60以上。音楽が生まれた現場を訪ね、人々の暮らしに触れて音楽への理解を深めた。
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バッハ研究の基礎を学び始めた旧東ドイツのライプツィヒや〝ドイツの母校〟がある大学町のテュービンゲン。著者がどのように音楽と出合い、多くの師や友と交流しながら、国際的に活躍するに至ったかが分かる。本書は、音楽研究を志す若き学徒への「世界に雄飛してほしい」というメッセージでもある。(アルテスパブリッシング・2090円)