水戸市の老舗仏料理店「西洋堂」(同市大町)が20日、閉店した。本格的なフルコースを提供する一方、気軽にランチも楽しめる店として親しまれてきた名物レストランが115年の歴史に終止符を打った。
西洋堂は明治39(1906)年、現在の水戸市泉町にパンも扱う洋菓子店として開店。昭和20年8月の水戸市への空襲で被害を受け、戦後は洋食店も併設して再出発した。昭和40年に同市大町の現在地へ移転し、仏料理店となった。
閉店の主な理由は建物の老朽化。創業者から4代目に当たる木下隆介さん(55)によれば、築約40年のレストランは東日本大震災で影響を受けたうえ、営業継続には変電設備の更新も必要だった。
最終日には大勢の常連客らが来店した。約20年、主にランチで通った水戸市の50代の女性は「閉店と聞いて泣いた。カレーやロールキャベツの味が忘れられない」。笠間市の70代女性は「家族でよくフルコースをいただいた。さみしいし、残念」とそれぞれ別れを惜しんだ。
木下さんは「長年のご愛顧に感謝しつつ、営業を終わらせていただきます」と話した。































